白ワインやスパークリングワインは冷やし、赤ワインは常温、赤ワインの中でも甘みがあり発泡性のある種類は冷やして楽しむことを意外にも知らない人が、イタリア人にも多いことを発見しました。お酒に興味が無い、という印でしょう。
更には、ワインの種類によってはいただくべきグラスの形まで違うのですが、そこまで掘り下げたり、様々な形のグラスを揃えたりするのは一般家庭では大変なので、基本的には、甘くないスパークリングワインは、食前酒としてサーブされるのが一般で、泡や冷えがより長く効いてテイストが楽しめるようにと、フルートと呼ばれる細長いグラスで、白ワインはそれよりも少々広口のグラス、赤ワインはもっと広口のグラス、デザートに合わせて頂く甘口のスパークリングワインは広く浅口型のグラスでサーブすると、一応ワイン通らしく振舞えて格好いいのです。
ちなみにロゼは、冷やしていただくもの。ロゼは、正に色合いのごとく白ワインよりもまろやかで、でも赤ワインに感じられるような香りの主張性が無い、中立的な嗜好品。このどっちともつかない微妙なところが、どんなお料理に合わせたら良いかわからないときには便利でもあるらしい、、、
ところで、白でもロゼでも赤でもなくて、どのカテゴリーに入れたら良いのかわからないワイン系の飲み物に、時々で会いませんか?ポルトガルのポルト酒とかシチリアのマルサラ酒とか。
色も香りもテイストも強いマルサラ酒は、シチリアのマルサラという町の特産物。これは極端な言い方をするとワインにさらなる強い度数のアルコールを足して、一般ワインの度数よりも更に強いお酒を生産し、イタリア国外に持ち出すための長い航海において鮮度を保つ方法を探して生まれたお酒だと言われています。
シチリア島には、歴史的にも文化においても興味深い町がいくつも存在しているのですが、マルサラもそういう意味で重要な町の1つ。例えば、マルサラにはイタリアで唯一のワイン醸造学科のある大学があり、それ故にワイン醸造者が集中している町だとか。塩田もあり、マグロ漁が盛んでもあり、マグロ通の日本人が舌鼓を打つような美味しいマグロを食べさせてくれる町の1つでもあります。
マルサラの主要ワイン蔵であるフィーナでは、年に1度、ワイン蔵を開放して朝から晩まで続く盛り沢山のイベントを提供します。この日をめがけてシチリア中からワイン蔵を訪れる家族で溢れ、混雑した遊園地のような状態です。子供を楽しませてくれる余興役者たちもいれば、臨時設置された屋外ステージでは色々なパフォーマンスが繰り広げられ、お客さんは試飲のワイングラスを片手に、地元特産料理などをつつきワイン蔵の前に広がる絶景やイベントを楽しむ1日を送ります。
そう、このワイン蔵フィーナの一番大事な顧客は実は日本だそうで、それを記念して去年、「Hanami」と名付けたロゼの新しいワインを製造しました。光栄ではありませんか?