しかもイタリアの南に下がれば下がる程、身振り手振りを加えて話す人が多いと聞いています。
イタリア人が大好きなジョークの小噺(Barzelletta)のひとつに、大海原で難破したナポリ人の2人の話。奇跡的に陸地にたどり着いた2人に、救助した人が驚いて尋ねたのです。「どうやって生き延びてここまで辿り着くことが出来たんだ?」と聞かれた2人は「おしゃべりしてたら陸地に着いた」と答えたそう。
つまり身振り手振りの盛んなナポリ人のことなので、相手に声をかけようとするとジェスチャーが先走りするので図らずも泳いでいた、というジョーク。
イタリア人にジェスチャーがこんなにも発展したのは、一体どうしてなのでしょう。イタリア人は自分を表現したい気持ちが強く、言葉だけでは説得力に欠けると感じるのでしょうか。一方、日本では口数が少ないことが美徳とされる文化も残っていて、ジェスチャーを交えておしゃべりを交わす光景は見られず、その代わりと言ったら語弊はありますがお辞儀が沢山交わされるように思えます。日本のお辞儀に興味を持ったイタリア人が、45度の角度でのお辞儀の説明をどこかで読んだのでしょう。角度を作ろうとぎこちなくお辞儀を見せてくれたりします。
さてイタリアの会話用のジェスチャーの種類は250にも上ると聞いていますが、連綿と続いて使われてるのは、20や30くらいのジェスチャーでしょう。
片言のイタリア語を学んで、それを使ってみるイタリア観光も楽しめると思いますが、どうでしょう、そこにジェスチャーも加えたら、現地の人とのやり取りが密になったりするかもしれませんよ。が実際には、観光客に便利なジェスチャーは、あまり無いのですけれど、、、
「美味しい」と表現したい時は、人差し指をほっぺたに突き当てて、グリグリ回す。
飲んでいるワインのグラスやボトルが空になりかけてる時などに、「もう空っぽ」と表現する時は、手の形を作って手首からを左右に振る。
イタリア人にからかわれっぱなしの時に、私が自己防衛に使うのが笑いながら「怒るよ!」という意味のあるジェスチャーで、掌は引っ叩くような形にしておいて、肘から先を上下に振る。
嫌な思いをした?と聞かれた時に、「別に。どうでもいいこと」とか「興味ないから」と言ったような返事をしたい時使うのが、顎の下を爪先で撫でる。
何やってんだ!とか 戯けたことを言ってるんだ!とか 冗談だろ!と伝える時は、指先を窄めて、自分の顔の方に振る。
その他色々、侮辱的な小馬鹿にしたような意味のジェスチャーも色々あって、イタリア人は電話口でも見えない相手に向かって、ジェスチャーを添えながら会話するのですよ。
イタリア人の250にも及ぶ種類に富んだジェスチャーに対抗するには、足が必要?!