ただ、いつとは決まっていないので気をつけていないと、1週間前から聖なる週と呼ばれるイースター期間に突入している事に気が付かず、学校、役所、スーパー全部お休みになっていた、という風に1人取り残されたような事態もあり得るのです。あーぁ!数日前にミラノから郊外に向かう高速道路がいつになく混んでいたのはミラネーゼがイースター休暇を利用して出発していたからか、と後になってから納得することも。
どういう風にイースターの日にちが決まるのかというと、決まっているのは日曜日であること。どの日曜日になるかというと、春分の日の後に来る満月の後に来る日曜日という決まり。
春分の日は3月20日か21日の年もあり得るという風に、春分の日も地球が太陽の周りを回って戻ってくる周期と人間が決めた1年のズレに合わせ、加えて満月の周期もズレがあって、、、なので場合によっては1年前のイースターと20日の差も出たりします。イースターが変動性であることを把握していなかった頃は、あれ?あれ?4月末にイースターじゃなかったっけ?本当は3月末?月を勘違いしていたかな?という風に、毎年自分の勘違いに振り回される訳です。
イースターが近づいてきているのは、分かるのです。なぜなら、クリスマスが終わった後に、エピファニーアという同じくキリスト教の祝日を終え、それから2月頃のカーニバルが終わったら、町はイースター用に早変わり。スーパーに行けば、至る所にカラフルな包装の卵形チョコレートが床からそびえ立つように積み上げられていて、まるでお菓子の国に迷い込んだかのようで楽しくなってきます。
年に関係なく、とっくに成人したであろう息子さんや娘さんにも、加えて親戚の子供たちにもみんなに卵形チョコレートをプレゼントする習慣もあって、イースターを祝う家族の昼食には、たくさんのチョコレートが積み上げられていきます。
この中には、コロンバと呼ばれる鳩を形取った焼き菓子も混じっていて、平和のシンボルとしてイースターには欠かせないお菓子の一つ。
イースターの時期にイタリアに遊びに来た姪がコロンバを買ったのですが、イタリアから去る際に手荷物にうまい具合に入らず、手荷物の数量、重量、大きさに最近は厳しい空港での没収を覚悟して、袋に入れて手荷物検査に挑みました。
検査員に「これは何?」と聞かれた姪は「コロンバ」とだけ答え、検査員が没収することを覚悟をしながらコロンバを引きとり次の過程に進み始めたところ、誰にも咎められることなく、それで彼女の背後から聞こえてきたのは「何だったの?」「コロンバだって」「コロンバかぁ」「あぁコロンバね」という風に、数々の検査員の「コロンバ」連発に付き添われながら先に進み、文句一つ言われず全ての過程を終えて、無事に飛行機に乗れたそうです。
コロンバのお菓子の威力をわかってもらえるかしら?