
白トリュフより香りが控えめで、お値段もお得なのは黒トリュフ。更には 夏トリュフ、冬トリュフと言う種類もあり、夏トリュフはお手頃価格、反して冬トリュフと呼ばれるウンブリアとピエモンテ州のは外も中も黒色だそうですが、希少な種類なので高級。

いずれにせよ、どの種類のトリュフも高額なのでお料理に使われると高級感漂う代物ではありますが、見た目は決して美しいとは言えないです。トリュフだと言われなかったら土にまみれた石ころだと思ってしまうことも有り得る、と言うくらい不格好。ただし、香りが非常に強いお陰で石ころに間違えらて捨てられる事なく、まるで宝石のようにガラスの陳列ケースに大事に収めてもらえるのがトリュフ。

トリュフはキノコの一種なのですが、世界に生息する他の色々なキノコとは見た目が全く違います。それは地上に生える一般的なキノコとは違って、トリュフは地面下の土の中に生息するからなのです。この地下生菌の特性が、他のキノコと違った生息環境を生み出していて、胞子が雨で流れたり風に運ばれていく現象は無くて、胞子を拡散するには猪やねずみなどの動物の助けが必要なのだそう。故にトリュフの独特で強烈な匂いが意味を成していて、つまり動物を引き寄せる特徴に納得させられませんか。
イタリアではラゴットという中型犬の犬種が、トリュフを探す為に訓練されています。大人しく、静かな性格で家庭でのペットとしても適している種類で、しつけやトレーニングにも良い成果を出すお利口な犬です。

ところが、賢くて優秀なラゴット犬でも感情移入してしまうことが人間の予想外に起きることがあります。ある熟練のトリュフ犬が新入りの犬にトリュフ探しを乱されたことで怒ってしまい、それ以来見つけたトリュフを隠すようになってしまったとか。飼い主のご主人が困惑して、諭したり説得したりして犬の行いを改めさせようとしましたが、隠した場所を頑なに教えなかったそうです。
また、あるトリュフ狩りのスポットでは、2人の男性が同じ場所でトリュフを掘り当てた事で喧嘩に発展してしまいました。と言うのは、どちらの犬が先にそのトリュフを見つけたのかがはっきりしなかったのです。それで、地元の教会の司祭が仲に入り、そのトリュフを分ける事を提案して、その場でトリュフを切り分けて平和的な解決法を見つけたつもりでしたが、切り方が公平でないと1人が怒り出したので、また喧嘩になったと言う話もあるそうです。
更には、トリュフ犬を使ってトリュフ畑で密猟をしようとした泥棒が見つかってしまったと言う事件では、犬がトリュフを見つけた途端に、飼い主の密猟者に知らせようと吠えてしまったので密猟があっけなくバレて捕まってしまったとか。密猟には、吠えないで発見を知らせるような更に高度な訓練をされた犬が必要ということですか。
話題に事欠かないのは、高価なトリュフゆえなのであります。