マグパイ(カササギ・フエガラス)-
マグパイは、金属的な調べでアコーディオンにも似た、ほとんど合成音っぽい素敵なさえずりで朝私たちを目覚めさせてくれる鳥。その鳴き声は美しく、人間がそれを真似てみせるとマグパイもこっちを向いて、時にはさえずり返してくれるというのですからたまりません。
巣づくりの時期のマグパイは、近寄ると危険です。巣のどれかにうっかり接近しようものなら、クチバシを向けて道の向こうまで追いかけてくることもあります。困ったことに彼らときたら地面に巣を作るので、知らずにその巣を踏んでしまったり、すぐそばを歩いたりしがちなので要注意!
大きな目玉の絵を描いた傘を差すのがいちばん安全とも言われています。マグパイからはプレデター(捕食者)に見えるから、まんまと追い払えるというわけです。
朝のジョギング中に、レンジャクバトを時々見かけます。これは濃い色のトサカにカラフルな翼を持つキジバトの一種で、毎朝、白と黒のトキと一緒に我が家の近所の野原で餌をついばんでいるのです。
オウム -
オーストラリアの動物相の途方もない豊かさに最初に目を付けたのは、ヨーロッパからやって来た探検家たちです。
彼らはただちにそれに気付き、すべての動物種を記録しました。そして、ここにしか生息しない鳥種の多さも、ただちに理解したのです。
たとえば、オーストラリアに多くの種が生息するオウムの中でもたいへん高貴なキングパロット(キンショウジョウインコ)。他の大陸ではほとんど知られていませんが、オーストラリアの東部全般でよく見かける鳥で、公園や庭園の健全で良好な状態を象徴する存在として地元の人々にはとくに愛されています。(鼓膜を突き破りそうな声ではなく美声の持ち主であることも、他のオウムとは一線を画しています。)
オスに限って言えば、このキングパロットはオーストラリアのオウムとしては唯一、赤い頭部を持っています。一方、緑色の体に赤いパンツを穿いているように見える姿は、キングパロットのメスだけに見られる特徴のようです。
態度は控えめなキングパロットですが、いつも木々の間を低空飛行しているのですぐに見つけられます。しょっちゅうクリムゾン・ロゼラ(アカクサインコ)の大群に取り囲まれているのは、おそらく彼らを私設ボディガードだと勘違いしているのでしょう。
クカバラ(ワライカワセミ)-
オーストラリアにしか生息しないクカバラは、カワセミ科の仲間。おもに東部オーストラリアの低木地帯に生息するものと、北部オーストラリアのマングローブの生える沼地で観測される、翼の青いクカバラの2種類がいます。クカバラは家族集団で暮らしながら他の鳥から自分たちのテリトリーを守っています。
一般的にクカバラは、正面に大きな穴のあいた木の洞(うろ)に巣を作りますが、穴が狭ければ、大きくて強靭なクチバシで拡張工事をするなんていうことも普通にあります。メスの成鳥が1シーズンに1~6個ほど生み落とす青緑色の卵は、大体25日後に孵化します。
クカバラの食べ物はバラエティー豊か。何よりの好物はトカゲとヘビですが、昆虫や魚、カエルやネズミも好んで食べます。視力が良く獰猛なハンターのクカバラは、とらえた獲物を木や石にぶつけて息の根を止めてしまいます。
カワセミ科でもとくに大きく、「クスクス笑いのロバ」の異名を持つワライカワセミは、そのあだ名のとおり、笑い声のような独特の鳴き声が特徴です。早朝の日の出前、そして夕方の日の入り頃、声を限りにさえずるクカバラ。その鳴き声には6種類の「コール」があると言われていて、それぞれ家族や侵入者に対するメッセージになっているそうですよ。
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