ケンブリッジのラーメンの値段は9.45~18.95ドルで、さらに消費税とチップがかかります。日本と比べるとやや割高ですが、得られる満足感を考えればそれだけの価値があります。わが家では毎週土曜日に決まってハーバード・スクエアにあるラーメン店、山頭火(Santouka)で昼食をとります。山頭火は娘のお気に入りのラーメン店で、娘が通うホセ・マテオ・バレエ教室(Jose Mateo Ballet Theatre)から歩いて約2分のところにあります。レッスンが始まる前に山頭火まで歩いて行き、塩ラーメンを注文します(もちろん餃子も!)。バレエのレッスンは早い時間に始まるので、私たちはお昼の混雑を避けられるのですが、ここのラーメンを食べるには最長で1時間も待つんです! サンディエゴに住む私の母のもとを家族で訪れるときも、山頭火のサンディエゴ店に行きます。サンディエゴ店はスーパーマーケット、ミツワ(Mitsuwa)のフードコートに入っています。どちらの山頭火もよく似ていますが、卵は東海岸のハーバード・スクエアの山頭火のほうが美味しく、これぞまさに本物のラーメン屋さんの卵という感じです。それに対しミツワのフードコートにあるサンディエゴ店の卵は、特製ソースに漬けたただの固ゆで卵です。娘と取り合いになるので、卵はいつも追加でオーダーしています。
ケンブリッジのラーメン専門店、夢を語れ(Yume wo Katare)に入店すると、「いらっしゃいませ」という大きな声の挨拶が出迎えてくれます。2012年にオープンした席数18の趣のある店で、最近までは夕食時のみの営業でした。私はまだここのラーメンを食べていないのですが、夫のお気に入りの場所です。夫は、私と娘が日本に行っている間にこっそり夢を語れに行き、この店の二郎系ラーメンを堪能したのだとか。みじん切りのニンニクを好きなだけ加えられるところが気に入ったそうです。一人前の量がとても多く、全部は食べ切れない人が多いのですが、完食したらオーナーがほめてくれます。絶品ラーメンを食べるため、夜に店の一角をぐるりと囲むように行列ができ、待ち時間は長い時で2時間にもなります。お客さんはボリューム満点のチャーシュー麺を求めて、今でも長時間、行列するのだそうです。今はお昼時も営業するようになったので、待ち時間があまり長くないことを願いつつ、私も夢を語れのラーメンを試してみようと思っています。
夢を語れの近くには、リトル・ジャパンとしても有名なポーター・エクスチェンジ(Porter Exchange)があります。このアールデコ調の建物は、以前はシアーズ・ローバック(Sears & Roebuck)の店でしたが、今はレスリー大学の所有です。ボストンの中でも日本関連の店がいちばん集まっている複合施設で、ギフトショップや日本のパン屋、資生堂などのコスメショップも入っています。以前はビデオをレンタルできる日系スーパー、寿屋(Kotobukiya)があったのですが、レスリー大学が寿屋のスペースを大学の本屋に改装したため、寿屋は閉店してしまいました。ポーター・エクスチェンジには飲食店もたくさん入っています。ケンブリッジで最も古い日本食レストラン、札幌ラーメン(Sapporo Ramen)とたんぽぽ(Tampopo)が今なお営業しており、この2店舗でもラーメンが食べられます。ケンブリッジに引っ越して来た当初、よく札幌ラーメンの行列に並んで味噌ラーメンを食べたものです。もやしがこんもりのった熱々のラーメンが大好きで、いつもバターを注文し、味噌ラーメンに加えていました。本物の日本の味を求めていた私にとって、これがたまりませんでした。たんぽぽはメニューが豊富です。たんぽぽではまだラーメンを食べたことがないのですが、カツカレーうどんは本当に美味しく、冬の寒い日にぴったりの一品です。私の学生時代と比べると、今は実にたくさんのラーメンがあります。どのラーメンも食べてみるのが楽しみです。