アメリカの秋の行事と言えば、ハロウィーンとサンクスギビングデー(感謝祭)です。ハロウィーンは、最近では日本でも定着してきているそうですが、何も単に「仮装してお菓子をもらいに行く日」ではありません。
日本でいう「お盆」と「節分」を一緒にした感じでしょうか。死者の霊と共に悪い霊もやって来るので、仮装をし、火を焚き、家の周りもおどろおどろしい飾り付けをして追い払うのが由来です。アメリカでも「仮装する(パーティする)」ことが一人歩きしているのは日本と同じですが、家の飾り付けにしても、仮装にしても、不気味さ・恐ろしさに重点を置いている人が多く、お化け屋敷なんかが苦手な私にとっては、毎年この時期は冗談抜きで暗くなってからは出歩きたくないほどです。
ハロウィーンが終われば、多くの国でクリスマスの準備が始まるかと思いますが、アメリカにはまだ11月の最後の木曜日にサンクスギビングデーが待っています。玄関先に飾ったカボチャはまだ捨ててはいけません。日本語で「感謝」祭というように、作物の収穫を祝う日なので、飾り付けはハロウィーンのコウモリや蜘蛛の巣から、カカシやトウモロコシ、藁など農作物を連想するものに変わります。
デパート等ではサンクスギビングのデコレーションをとばして既にクリスマスグッズが販売されている事もありますが、それを見て「まだなのに!」と嘆く人も結構多いくらい、1年の中で欠かせないイベントなのです。日本の「お正月」や「秋祭り」のように、キリスト教のクリスマスやユダヤ教のハヌカと並ぶ、アメリカ人が家族で集まり食卓を囲む大切な日ですので、その前日は帰省する人々で道路も飛行機も大混雑します。
この日に食べるのは七面鳥の丸焼きで、マッシュポテトやコーンプディング、パンプキンパイやアップルパイなど、秋から冬にかけての美味しいものがクリスマス同様サーブされます。(残念ながら周りにユダヤ教徒の知人がいませんので、ハヌカには何が食されるのかは分かりませんが…)
ハワイに住んでいた頃には、現地に親族がいませんでしたので、私が一人で食べた事のない味を試行錯誤しながら作っていたこの食事。今年は親戚の家で本場のディナーが楽しめるので、待ち遠しいです。