• 2021.05.14
  • 殿下ご逝去
新型コロナウイルスワクチンの記録的な接種回数、同ウイルスの新たな感染者発生の報道、ウイルスに関連する制限の解除などコロナウイルス関連の話題が後を絶たないここイギリスで、それらに代わって唯一大きく報道されているニュースがあります。2021年4月9日、エディンバラ公爵フィリップ殿下がウィンザー城の王室居城にて逝去されたニュースです。
厳密には「国王」ではないのでしょうが、フィリップ殿下はエリザベス女王陛下の最愛の夫であり、御年99歳の愛すべき男性であり、失礼ながら言うことをお許しいただけるなら、かなり愉快なご老人でした。

周囲との接触を避け隔離生活を送っておられた静養先のウィンザー城で亡くなられましたが、王室は伝統的な王室のプロトコル(儀礼)にしたがってバッキンガム宮殿でご逝去の報を発表しました。
重篤な状態にあったため、殿下は亡くなる直前の数か月をこのお城で過ごされていました。新型コロナウイルスからお体をお守りするために、周囲の人々はロンドンから、そして家族からも離れたこのお城に殿下をおとどめしたのです。
女王陛下とのご成婚から70年以上にもなりますが、公爵は長らく病を患っておられ、近年は心臓疾患のため入院されていました。
ご逝去の報が発表されるとイギリス全土は直ちに喪に服し始めました。
今回の発表はイギリス王室から直々に短いスピーチにて行われ、「殿下は今朝、ウィンザー城で安らかに亡くなられた」と書かれた文書が4月9日に宮殿の正門に掲示されました。
6月10日の誕生日には満百歳を迎えられるはずだったフィリップ殿下。コロナの状況が許せばおそらく盛大なお祝いが催されたことでしょう。
王室は殿下の死後8日間の喪に服することを決定し、それに従って服喪の期間中、バッキンガム宮殿をはじめとする英国全土の公的な場所およびそれ以外のさまざまな場所で半旗が掲げられました。
フィリップ殿下の生涯については、さまざまな人があれこれ書き綴ることでしょうし、ネット上至るところで目にすることと思います。
このブログで一つだけ言っておきたいのは、殿下が思慮深く、同時に面白くて不器用な男性であったことです。イギリス国内外の公の場で時に愉快な姿をみせた殿下の思い出はそう簡単に忘れ去られることはないでしょう。
葬儀は規模を縮小して執り行われ、女王陛下、王室、そしてもちろん、殿下に哀悼の意を表すために訪れたイギリスの人々の身を守るため、この時期に対応してコロナウイルス感染拡大防止の基準に従い儀式が進められたことは間違いありません。
以前このブログでお話ししたように、王室(Royal Family:語の頭は大文字で明確に表記)はイギリス国民の生活にとって重要な存在です。人々が集まったり王室の居城前に花を置いたりすることのないよう公的に通達があったにもかかわらず、実際には、殿下のご逝去から数時間から数日のうちに多くの人々がバッキンガム宮殿を訪れ、花を手向けたり、短い手紙やぬいぐるみ、絵などを供えたりして個人的に哀悼の意を捧げていました。
事実、そのようななかで英国政府は国民に引き続き公衆衛生に関する諸注意を守るように、特に、大人数のグループでの集まりを避け、移動を最小限にとどめるように注意を促しました。
王室はフィリップ殿下を追悼して献花をする代わりに慈善団体への寄付を検討してもらうよう人々に呼びかけています。しかしながら、殿下を偲んで寄付を行うための公式のウェブサイトはありませんし、特定の団体が指定されているわけでもありません。
実は、訃報の翌日、いずれにしてもその近辺を通る予定ではあったのですが、少し心がひかれ、また謹んで哀悼の意を捧げたいとも思い、私自身もバッキンガム宮殿前を通り、花を手向けてきました。
慈善団体へも寄付するかもしれませんが、もともとこれは、思うところあって私が定期的に行っていることで、誰かが亡くなった等々には関係ありません。
宮殿前に並ぶ、エリザベス女王陛下とフィリップ殿下が並んで描かれた子どもたちの絵、殿下の生前の有名な面白い失敗談や名言が書かれたカード、歩道沿いに掲げられた半旗や歩道の上に置かれた国旗、そしてもちろん山のような花束が印象に残っています。
フィリップ殿下は人々の心に長く生き続けることでしょう。



エディンバラ公爵フィリップ殿下に捧ぐ

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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