12月はクリスマスや大晦日などお祝いの多い月です。オランダでは12月5日が【シンタクラース】という祝日です。子供向きの祭りで、よく知られている需要な文化的イベントです。
シンタクラースとはだれなのか、シンタクラースはどのように祝われているのか、シンタクラースの祝いが正義なのかどうか、という話題についてご説明します。シンタクラース(セイント・ニコラス)はスペインに住み、1年に1回、自分の誕生日(12月5日)の祝いでオランダに来ます。彼は、ズワルトピート(黒いピート;ピートは一般的に男性のファーストネーム)というお手伝いと一緒に来ます。彼らは、子供たちにプレゼントを渡すためです。子供たちの行動を大きな本に記録して、1年間いい子だったのか、悪い子だったのかを判断します。いい子はプレゼントをもらって、悪い子は「ル」(木の枝でつくられたムチ)をもらいます。さらに悪い子は靴の袋に入れられて、スペインに連れて行かれます。子供にとってはとても恐ろしい物語です。
メインイベントは12月5日ですが、シンタクラース達は約3週間前に船でオランダに来ます。毎年、町を通して行われるパレードに昨年とは別の町が選べられます。生放送でテレビにも出ます。シンタクラースは同じ日もしくは次の日にも、他の町までパレードに行きます。特にアムステルダムでは大きなイベントです。今年は、現地記者とは別に、4000kg以上のお菓子を配るためのズワルトピート600人がいて、35万人の子供たちが11.5kmの向こうで待っていました。シンタクラースは5.5kmは運河を使って船で渡り、残りの6kmを馬に乗って渡ります。
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12月5日深夜までは若い子供向けのイベントでいっぱいの時期です。子供たちには、寝る前に自分の靴にシンタクラースへの手紙や絵、シンタクラースの馬へニンジンを置いておく習慣があります。いい子は(両親がシンタクラースと連絡ができたら)次の朝、靴にお菓子があります。地元のお店もシンタクラース限定のお菓子がたくさん売れています。人気があるのは、ペーペルノーテン(シナモン味の小さなクッキー)、キャラクターや食べ物の形をしているマジパンです。子供たちのファーストネームをチョコレートで書いたりします。
12月5日夜、シンタクラースは家の屋根を馬に乗って通り、ズワルトピートは歩いて彼に寄り添っています。ズワルトピートはプレゼントでいっぱいの袋をもって、煙突から家に入ります。これがズワルトピートの顔が黒いの理由です。煤まみれです。ズワルトピートは煙突を通ってプレゼントとペーペルノーテンを部屋に置いて、またシンタクラースの元に戻ります。そして次の朝、子供たちがプレゼントを見つけます。違う祝い方もあります。12月5日の夜に家族がシンタクラースの歌を歌い、シンタクラースを待っています。すると突然、ドアがノックされてペーペルノーテンと共にプレゼントで一杯の袋が家の中に置いてくれます。子供たちがシンタクラースかズワルトピートをひと目見ようとしますがすぐ消えてしまいます。一般的に子供が9歳ぐらいまでのお祝いです。
家族みんなが9歳を超えたら、シンタクラースはもう家に来ません。しかし、その後も多くの家族は様々な方法でシンタクラースを祝います。一つは、家族のみんなが集まって、一緒にポエムを読んだり、プレゼントを開けたりして、楽しい晩を過ごします。子供でなくても、とても居心地よく懐かしい習慣です。現在、シンタクラースのお祝いは、一部の人に反対されています。ズワルトピートが赤い唇、黒い癖毛と金色のピアスの黒い肌の人で黒人の戯画と論じられます。確かに、歴史的に古い黒人の描写にそっくりだとも言えます。ある人はシンタクラースとズワルトピートの間柄を奴隷制と同じだと感じる人もいます。シンタクラースの伝統を大事に思っている人は、この解釈を反対し、奴隷制などと全く関係なく、ズワルトピートは煤で黒い顔をしているため「問題ないはずだ」と言います。この議論はもう何年も続いており、現在は、黒い顔のズワルトピートだけじゃなくて、いろいろな色の顔をしているズワルトピートが現れるイベントも行っています。いずれにせよ、オランダ人の子供たちはシンタクラースの祝いを楽しんでいます。今年、どのようなパレードがあったかを確認する場合は下記を見てください。
http://www.sintinamsterdam.nl/over-de-intocht/