アメリカではクリスマスは一大イベントで、サンクスギビングデーを過ぎた瞬間から、人々の熱意がはっきりと感じられます。ラジオからはクリスマスソングが流れ出し、お店はクリスマスの装飾で彩られ、みんなの話題はクリスマスショッピングの話で持ちきりです。日本のクリスマスとはちょっと違い、アメリカのクリスマスは子供のための休日でも、カップル向けのロマンチックなイベントでもなく、家族で祝う祝日です。そしてもちろん、クリスマスの起源はキリスト教の祝日で、イエス・キリストの誕生を祝うものです。ところが、この宗教的連想のせいで、「メリークリスマス」という挨拶が議論を呼んでいます。この呼びかけはキリスト教の祝祭を意味するもので、ほぼ同じ時期に祝われるユダヤ教の祝祭、ハヌカーやアフリカの祝祭、クワンザへの配慮に欠けるというのです。ですから、「メリークリスマス」の代わりに「ハッピーホリデー」と挨拶するのが良いとされています。一部の店員はこの呼びかけを実行していますが、まだ多くの人が「メリークリスマス」と言っているのを耳にします。もうちょっと軽い話題に目を向けてみると、街中を彩るはなやかな装飾は、誰もが楽しめるものだと思います。今回の記事では、これについて、いくつか例を挙げてみたいと思います。ひとつめはサンタクロースです。大きなショッピングモールには必ずいますし、一部の大型スーパーにも登場しますが、特にショッピングモールでは、これがビッグイベントになっています。サンタは大きな椅子に腰かけていて、子供たちは彼の膝に乗るために列を作ります。サンタは子供たちにいい子でいたかどうか、そしてクリスマスにほしい物はなにかとたずねます。そばにはたいてい、サンタの妻のクロース夫人と妖精の小人たちがいます。ノビにある大型ショッピングモール、トウェルブ・オーク・モールでは、サンタへ続く道がすべてゲームやアクティビティで埋め尽くされていました。子供と一緒に列に並んだ親たちは、入店するまでにたっぷり待たされるというわけです。
ふたつめは人々が外に飾るクリスマスの装飾で、これは実に見事です。ほとんどすべての家が参加している地区もあり、周辺をドライブするのが本当に楽しくなります。みんなとてもクリエイティブで、家の周りをすべて色のついた電球で覆い、前庭にもまた違った装飾が施されています。聖母マリアとヨセフ、3人の聖人とともに、イエスの誕生シーンを再現してライトアップしている家もあります。誰もが楽しめるものを作ろうと労を惜しまない様に、関心してしまいます。
最後に、プリマスという街の公園で見られる、とても特別なクリスマスツリーの伝統を紹介しましょう。この公園には、地元の商店が購入し、装飾を施したツリーがいくつも設置されるのですが、きれいに飾りつけられたこれらのツリーは誰でも買うことができ、そのお金は慈善団体に寄付されます。園内には今年亡くなった人をしのぶためのエリアもあり、遺族など近しかった人々が装飾したツリーが設置されます。これらのツリーは故人の写真や愛情あふれるメッセージで飾られ、そばには故人の名前を書いた札が添えられています。子供や若者にささげるツリーもかなりあって驚きました。それにしてもこれは、亡くなった方をしのぶ、とても素敵な方法ですよね。