• 2015.05.20
  • I Love Taiwan「愛台湾文化」
台湾は小さな島国ですが、パソコン生産は全世界の9割を占め、昔からIT産業が盛んです。アニメ制作も3割を占めています。PCメーカーのASUSやACER、PCウイルス除去ソフトのTrend Micro、自転車のGIANTや映画監督の李安(アン・リー)などは有名ですね。さらに、米メジャーリーグの王建民(ワン・チェンミン)選手、小龍包でよく知られる鼎泰豐(ディンタイフォン)やタピオカミルクティーも全て台湾生まれです。それでも、海外へ行くと「台湾はどこですか?タイですか?」と質問され、「いえいえ、台湾とタイは全く違います!」という始末です。そんな台湾では、近年、「愛台湾文化」が広がっています。

台湾は、1949年の蒋介石による統治から、約40年もの間、行政も司法も軍隊の権力下にありました。その後、1996年に行われた初の直接選挙から、ようやく国民が政治に参加できるようになりました。しかしながら、政治的には世界保健機関も、国連も、台湾を未だに国家として認めていません。人々の暮らしでは、教育革命、台湾中部大地震、SARS、世界金融危機、大卒の低賃金、食品安全危機、親中派、学生運動と、様々な問題が起こっています。

ある説によると、台湾で一番苦しい世代は1981年~1991年生まれの七回生世代と言われています。今では教育革命の影響で誰でも簡単に入れる大学ですが、この世代は、大地震やSARSの流行の中、必死に勉強して入学したものでした。にもかかわらず、就職後には、不動産相場は10倍に跳ね上がる一方で、給料は世界金融危機の影響を受け10年間上がらず、家の購入もままならない状態。この七回生が「愛台湾文化」をリードしています。

洪馬克
三太子



吳建衡(ウー・ジィェン・ホン)は、「電音三太子」という神様を模した人形がテクノミュージックで踊るパフォーマンスをもって、全世界に台湾の伝統文化を伝えました。2012年10月の建国記念日には、2000人以上の人が”I Love Taiwan Project”のロゴが入ったプレートを持って我愛台灣を叫び、世界最大の人文字としてギネスに認定されました。映像監督の洪馬克(マーク・アン)は100の映画祭で”I’m from Taiwan”と書かれた赤い旗を持って台湾の存在を訴えました。共通の強い想いを持つ多くの七回生が、それぞれの方法や専門分野で「世界に認められたい」と活動しています。

シェーン

映画バットマンのセリフにこんな一節があります。
‘The night is darkest just before the dawn. And I promise you, the dawn is coming.’
「夜明け前が最も暗い。約束するよ、夜明けは近い。」まさしく、今の台湾にぴったりの言葉ですね。

台湾人にとって、今一番の褒め言葉は「I Love Taiwan(我愛台灣)」です。今度台湾に来られたら、是非、この言葉を「ありがとう」の替わりに言ってあげてください。
皆、めちゃくちゃ興奮すると思いますよ。

特派員

  • 林 瑋倫
  • 職業会社経営

京都市立芸術大学院を卒業後、国際コラボ事業を中心にコンテンツ全般・版権/肖像権取引、ロケ地/マーケティング企画など、台湾コーディネーター兼プロデューサーとして活躍。2011年から、ボランティア事業も開始するため、NPO「未来電影日」を創立。

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