誕生日は、特に子どもたちにとっては楽しさと驚きに満ちた大切なイベントですが、現代の親にとっては、時に結婚式並みにストレスのかかる行事になる場合があります。
私には6歳の息子がいて、月に一度くらいのペースでお友だちの誕生日パーティーに一緒に参加しています。これまでかなりの数の誕生会に行きましたから、イタリアの子どもたちにとって誕生会が友だち関係を築くうえで欠かせない大切な時間であることは、経験的にも知識としてもよく理解しています。
また、招かれる側としてだけではなく、息子のために誕生会を主催したこともあります。
そこでまず気づいたのは、最近の誕生日パーティーはまず自宅では開かれない、ということです(我が家は例外ですが、その話はまた別の機会に)。

バースデー用のビュッフェ
1980年代は、お友だちを自宅に招いて一緒に遊ぶスタイルが一般的でした。しかし、現在はクラスの人数が増え、招待客も多くなり、パーティーに対する期待も高まる一方です。
そのため、託児所や教区教会、プレイセンター、保育施設やテーマパークが提供するサービスが広く利用されています。こうした施設では、子ども向けのテーマを設けた誕生日パーティーの企画や、各種サービスの提供、会場のレンタルなどを行っています。
料理はというと、会場に着くと、テーブルには必ず定番のバースデー・ビュッフェが用意されています。フォカッチャやカットされたピザ、ポテトチップス、ハムやサラミを挟んだミニサンドイッチ(ヌテラを塗った甘いタイプも)、タルト、ドーナツ、フルーツジュース、水や炭酸飲料などが並びます。
ビュッフェの横には、再利用できるコップに名前を書くためのペンや、使い捨てのお皿やカトラリーが準備されています。たいていの場合、流行しているアニメやビデオゲームのデザインが施されたものが使われています。
この日のために雇われた2~3人のエンターテイナーが子どもたちを出迎え、まずは打ち解けるためにゲームへと誘います。
ゲームの種類はかなり限られています。中央に穴の空いた大きな円形の布を海の波に見立てて揺らし、穴めがけてボールを入れるゲームや、床にフープを並べ、音楽が流れている間は周囲を歩き、音楽が止まった瞬間にフープの中に入るゲーム、部屋じゅうに散らばった物をできるだけ早く集めるゲームなどがあります。
時には、「勝った人には賞品があるよ」と声をかけて子どもたちに競争させることもありますが、最終的には全員が漏れなく賞品をもらえるようになっています。
出し物としては、人形劇やマジックショー、誕生日を迎える主役が好きなキャラクターに扮したマスコットの登場、巨大なシャボン玉、フェイスペイントなど、さまざまな選択肢があります。
設備がよく整った会場では、エア遊具やトランポリン、すべり台、乗り物なども利用可能です。
また、段ボール製のピニャータも用意されています。中にはキャンディやチョコレートがたっぷり詰まっていて、子どもたちは順に叩いて割ったあと、みんなで分け合って楽しみます。
パーティーが終わりに近づくと、スピーカーから「ハッピーバースデー」の歌が流れ、主役の子どもが注目の中心に「置かれる」運命の瞬間を迎え、ケーキのろうそくの火を吹き消します。一般的には、年齢の数字をかたどったフルーツタルトや、数段重ねのデコレーションケーキ、あるいは年齢の数字の形をした、ヌテラがたっぷり入った巨大なロールケーキが登場します。

6歳の誕生日を祝う息子
「スカルタ・ラ・カルタ(Scarta la carta)!」とゲストたちが声をそろえて囃すなか(「包みを開けて」という意味のイタリア語のフレーズで、韻を踏んでいてとてもよい語感です)、主役の子どもは、いよいよプレゼントの包みを開きます。
ゲストの数が多いので、一つひとつのプレゼントの中身を見ていられる時間はほんの3秒ほどで、エンターテイナーの一人が中身を紹介し、送り主へお礼の言葉を伝えていきます。
誕生日パーティーは商業化が進んでいますが、私はこうした傾向を好まないので、息子の誕生日はもう少し本人の好みを反映したスタイルにすることが多いです。そんなわけで、自由にイベントを企画できる庭があるのは恵まれているなと感じています。

誕生日パーティーで人気のピニャータ
