• 2016.05.20
  • エコフレンドリーでヴィーガンな街
初めてこの街を訪れた人はいかにも大都会という印象を抱くかもしれませんが、たくさんの公園、お宝満載のフリーマーケット、都市の隅々まで広く行き渡ったリサイクル制度、充実したネットワークを誇る公共交通機関、地元産の材料を取り入れることに意欲的な有名レストランなどを擁するポートランドは、アメリカで最もエコフレンドリーな都市として知られています。
ポートランドには、全米で最大のベジタリアンのコミュニティもあります。厳格な食生活の規則を忠実に守って暮らすセブンスデー・アドベンチスト教会の信者たちがこの街を定住の地として選んだのが1800年代後半ですが、それ以降ここに移り住む人がいるほどです。

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公園が多い街、ポートランド
 
ポートランドには、アメリカ初のヴィーガンフレンドリーなB&Bや、料理メニューのみならずダンサーの衣装(毛皮、レザー、絹および真珠も禁止)まで動物性の材料を使っていないストリップクラブなんていうユニークなお店まで存在します。バラの街と呼ばれるこの都市には、ヴィーガン用食料雑貨店からベジタリアン専門ペットショップ、動物性副産物フリーのインクのみを使うヴィーガン向けタトゥースタジオまで揃った、世界初のヴィーガンのためのショッピングモールもあります。

 
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ポートランドではよくあるヴィーガンレストラン
 
世界初と言われるヴィーガン専門の小規模ショッピングモールで中心的存在のFood Fight!(フードファイト!)は、完全ヴィーガン向け商品を扱う希少な食料雑貨店です。オルタナティブな生活様式や信条を持つ人々にとって、このモールは心強い存在。そんなポートランドのことをThe Animal Protection Association of America は「すべてのベジタリアンおよびヴィーガンの真の聖地」と表現しています。必ずしもヴィーガンではないけれど、ヴィーガンやベジタリアン式食生活の健康上のメリットに関心がある人たちも、このモールに足を運びます。

こうした環境に配慮する態度は、太平洋岸北西部の精神に根差しています。オレゴン州は、ペットボトルとカンに対し、払い戻し式のデポジット(預り金)を課す法律をアメリカでいち早く成立させ、後の全米各州に広がったリサイクル革命の立役者となった歴史を持っています。今やポートランド市民の家庭ごみの再利用率は70%にまで達しており、これはアメリカでもトップレベルの数字です。個人宅や分譲マンション、レストランの大部分はコンポスト設備を備えているし、リサイクル用の分別容器は、街角や集合住宅の敷地内など街の至る場所で見かけます。

ガソリン消費量を抑えて有害物質の排出を削減するため、時間制の交通信号を導入した最初の都市もポートランドです。格安のレンタサイクルは、住民はもちろん観光客でも利用可能。初回のブログ記事でもお伝えしたように、ポートランドは自転車天国で、ここには300マイル以上もの自転車専用通路やレーンがあり、市の公共交通機関の利用者のために駐輪用ラックも完備しています。誰でも環境に優しく安価な手段で、街中を移動できるというわけです。

                      
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ポートランドの路面電車は効率のよい交通機関
 
              ポートランドは市民・企業・地域の各パートナーとともに市内に持続可能な建造物を増やすための取り組みとして、2000年にグリーン・ビルディング計画を始動しました。ポートランドは、住民1人に対するLEED認定の建造物(エネルギー効率と環境への配慮基準によって認証を受けた建造物)の数が全米最大級の都市です。それらのビルには、18階建て、総面積45万平方フィートのエディス・. グリーン=ウェンデル・ワイアット連邦ビルや、71万6千平方フィートのリンカーン・センターも含まれます。

ポートランド市内には、緑地の総面積が4万エーカーを超える300以上の公園があり、自家栽培用として市民に区画を貸し出している地域の菜園は約50箇所にのぼります。

  地域の企業は、その業務において環境保護に貢献する取り組みを示せば市からの助成金を受けられますし、他とは違ったユニークな方法で省エネルギーやお店の宣伝を行うことで、ポートランドのヘンテコさや創造性とうまく共存している地域のショップもあります。中でも断トツにクリエイティブなのは地域のスムージーショップが考案した省エネ法で、自転車のペダルを漕いでエネルギーを生み、ドリンクを作るブレンダーを回転させるというアイディアです。ポートランドに限っては、新しい発想が出尽くすなんていうことはなさそうですね!

 
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ペダルを漕いでドリンクを作るスムージーショップ
               


                             

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 職業翻訳者、編集者、教師

米国とイタリアに住んでおり、両国に深いルーツを持っています。広く世界を旅する中、日本で4ヶ月を過ごし、桜とたこ焼きに恋をしました。現在、世界中の友人からレシピを集め、料理の本を編集しています。

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