• 2015.08.14
  • 上海人が愛する薬膳料理「湯」
ご存じかとは思いますが、中国の漢字は日本の漢字と非常によく似ています。しかし、同じ字でも意味が全く異なる漢字がたくさんあります。例えば、日本で「湯」は温かい水を意味しますが、中国では「湯」を「スープ」のことを意味します。今回は、最近、上海で流行している「湯」を紹介したいと思います。

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この濃厚な白いスープとたっぷりな鶏肉。見ただけで食欲が湧いてきますよね!こちらは「猪肚包鸡」と言う、韓国の参鶏湯によく似ているスープです。豚の胃袋で鳥を丸々一匹包み、火が通ったところで鳥を取り出し一口大にカットし、ナツメと一緒に煮込みます。食べる際には、胡椒をかけて食べるのが一般的です。長い時間をかけ煮込んだスープの味はもちろん最高!食材の旨みがすべてスープに溶けだし、豚の胃袋は弾力があり、鶏肉はほろほろ溶けるほど柔らかくなっています。また、このスープの中に肉団子や野菜などを入れ、火鍋として食べることもあります。発祥は広東省ですが、最近では上海でも人気が出はじめ、現地メディアに取り上げられるようになっています。因みに、広東省の人々の「湯」に関する愛情と湯の種類の豊富さは、中国一と言われるほどです。

「猪肚包鸡」のもう一つの特徴は健康的ということです。中国の食文化の中で非常に有名な「薬膳料理」は、古代中国朝廷の医者たちが「薬が飲みにくければ料理に混ぜ美味しく食べようではないか。」という発想から誕生したそうです。「猪肚包鸡」もその薬膳料理のひとつなのです。
美味しいものを食べながら、健康な体をつくることができるなんて本当に素晴らしいことですね。

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最後にもう一つ私の好きな「湯」を紹介します。
こちらは、先ほどのスープと違い魚を使用しています。「酸菜魚」と言うこのスープの特徴としては、酸味のある漬物がスープに入っていることです。暑い日や食欲がない日に、この酸味のあるスープを食べると、みるみる食欲が湧いてくるので今の季節にピッタリな料理ですね。
ぜひ、皆さまも中国にお越しの際は一度食べてみて下さい。お気に入りの「湯」が見つかるはずです!

特派員

  • 増田 宏誠
  • 職業会社経営

上海テレビを経て、ファッション雑誌「大都市」の在日記者としての執筆の他、広告会社にて中国語圏コピーライターとして活動を経て、2001年1月に会社設立。メディアを中心としたアジア人観光客誘致サービスを提供しています。

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