- 2016.03.01
- アパレシーダの大聖堂
サンパウロの街を歩いていると、あちらこちらでカトリック教会を見かけます。1872年に全人口の99.7%がカトリック教信者でしたこの国も、2013年のデーターでは、その数値が64.6%に減少しています。しかし今でも世界で一番カトリック教信者が多い国です。
サンパウロ市から170km離れたアパレシーダ・ド・ノルテ(Aparecida do Norte)という町にアパレシーダの大聖堂があります。年間900万人もの人たちがこの大聖堂を訪れるそうです。総建物面積1万8千平方メートル。3万2千人を収容し、バチカンの聖ピエトロ大聖堂に次ぐ大きさだそうです。
アパレシーダの聖母像の由来は、1717年にパライバ・ド・スル(Paraiba do Sul)川で釣りをしていた3人の漁師の網に聖母像の胴がかかり、その後、頭がかかったとのこと。その聖母像を船に置いたのち、大量に魚が網にかかったそうです。家に持ち帰り、祭壇に祭ると家族や近所の人たちがお祈りするようになり、聖母像による奇跡は広がっていき、1745年にチャペルが建てられました。その後も信者の数は増え、1888年には、旧教会が建設されました。
アパレシーダの聖母(Nossa Senhora de Conceição Aparecida)は、「ブラジルの守護聖人」としてローマ教皇ピオ11世により1930年に公認されてます。10月12日はアパレシーダの日でブラジル国では祝日です。
大聖堂が出来上がったのは、20世紀後半で、ラテンアメリカで最も多くの信者が集まる場所とされてます。これまでに、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世、教皇ベネディクト16世と教皇フランシスコが同大聖堂を訪れてます。
大聖堂の中央のドームは70メートルの高さがあり、建物はシンプルでがっしりとしています。大聖堂内は広々としていて、カトリック教会の強さみたいなものを感じます。旧教会は町の中心部にあり、バロック建築で大理石や木材を使ってます。11年かけての復元工事が2015年2月に終わり、とても美しくなってます。大聖堂と旧教会をつなげる392メートルの歩道橋があり、一番高いところで、地上から35メートルの高さです。お願いをしに、また願いを叶えてくれたお礼にと、その歩道橋を膝まついて歩く信者もいます。
デウス(Deus)とはポルトガル語で神のことです。日常生活で誰もがよく使う表現があります。例えば、「また明日!」と言われれば、「シ デウス キゼール!」(Se Deus quiser!)「神の意思であれば!」と答えます。自分の意思よりも神の意思の方が大きいことを表してます。「よかったですね」のコメントに グラサス・ア・デウス(Graças a Deus)「神のお蔭です。」と答えるなど。ブラジルでは、昔から神の存在は大きいようです。