• 2017.11.17
  • 春の訪れ
南国のブラジルでは, 四季がはっきりしていません。紅葉がない、涼しい秋を過ごした後は、雪が降ることのない冬を過ごし、春を迎えます。標高約760mのサンパウロ市では、夏でも湿気がないため、過ごしやすいです。あまり季節が感じられないのですが、春だけは違う気がします。8月(こちらでは冬の終わり頃)に入るとParque do Carmo( カルモ公園)では「桜まつり」が開催されます。ブラジルで桜まつり?と驚くでしょう。サンパウロ市の東部にあるこの公園に桜を愛する日系人が70年代に桜を植え、桜園を作り、現在では約4000本植えてます。桜祭りはこの公園だけではなく、サンパウロ市近郊の各地で開催されます。「お花見」より、「お祭り」の感覚ですので、アトラクションとして、和太鼓、盆踊り、焼きそばやてんぷらを販売する屋台など、日本の文化を紹介します。桜の花を見ながら散歩をし、家族や友達とゆっくり過ごします。日系人だけではなく、多くのブラジル人にも桜の美しさを楽しんでもらえているようで、このイベントは年々に拡大されてます。


こちらで多いのは寒緋桜です。沖縄でも多く咲いていることから、沖縄桜と呼ばれてます。花の色が濃い桃色で、とても華やかです。薄い桃色のヤマザクラもあります。


サンパウロ市内の路地で桜は見かけませんが、パラナ州のクリチバ市の住宅街には、多くの桜が植えてあり、とても綺麗です。


桜が終わる頃に他の花が一斉に咲き始めます。春の訪れです。

お花は花屋や市場だけではく、最近ではスーパーマーケットの一角にも販売されていて、購入しやすくなりました。5,6年前からは以前とても値段が高くて買えなかった胡蝶蘭が手ごろな価格で購入できるようになりました。家で上手に育てると、また素敵な蘭が咲くので、楽しみです。また、マンションの管理人が花が枯れた蘭を路地樹に括りつけて育てます。そのため、最近住宅街では木に蘭の花が咲いているのを良く見かけるようになりました。


バラ、アストロメリア、ガーベラなどはいろんな色があり、目を楽しませてくれます。各地で花祭りが再開され、鉢植えや苗を買うのによい時期です。

花にはそれぞれ学名がありますが、名称の由来は花の形や色で決まっているものが多いようです。幾つか紹介したいと思います。

Flor-do-Natal (クリスマスの花)大きく真っ赤な葉がクリスマスのデコレーションに合うようです。

Chuva-de-ouro (金の雨)こちらでは黄色は金の意味があることからです。

Lílio-da-paz(平和のリリー)真っ白い旗に似ているからです。

Brinco-de-princesa (王女のイヤリング)かわいい花がぶら下がっているように咲くからです。

Camarão(エビ)花がエビの形。

Lágrima-de-Cristo(キリストの涙)流れる涙のような花。赤色は血を示しているそうです。

Copo-de-leite(ミルクのコップ) 最近は黄色、桃色、紫色などもありますが、以前は白色で、コップの形をしていることからこの名。

Campainha-da-China(中国の鈴)

Rabo-de-gato(猫のしっぽ)花がフワフワしていることから。

Primavera(春)春に咲く花なのでこの名。太陽が好きで6mの高さにもなります。こちらでは公園や庭でよく見かけます。

春には街がカラフルになり、一番季節感を感じるときです。

特派員

  • 皆木サンドラ 奈美
  • 職業語学教師、ペーパートールクラフター

ブラジル生まれのブラジル育ち。大学卒業後、夫の仕事の関係で3年間滞在したシンガポールにおいて習得したペーパートール(=シャドーボックス)や語学を教えています。多国の文化や習慣を上手に混在させているサンパウロでの生活がとても気に入っています。

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