• 2018.11.29
  • オーストラリアで海産物を食す
海に囲まれたオーストラリアはアメリカに次いで世界第二位の漁業水域をもつ国ですが国別水産物漁獲量をみると56位と以外と下のほうに位置しています。海洋環境を保護するため獲り過ぎないよう持続可能なレベルを確保することを重視している背景があります。

オーストラリアの水産物の水揚げ量の上位5品目は1位サーモン、2位イワシ、3位エビ類、4位カキ、5位マグロの順となっています。

サーモンはタスマニア産サーモンが有名で、レストランでもサーモンを使ったメニューが豊富にあり、回転ずしではサーモンアボカドロールが人気で、スーパーでも切り身やスモークサーモンは必ず置いてあります。スーパーでも買える肉厚のサーモンをグリルにしたものは本当に美味しいです。イワシが2位というのには驚きました。小さなイワシはよく釣り用の餌になっていますが、スーパーの魚売り場でイワシはほとんど見かけないからです。イワシは生臭く食べづらいのであまり人気ではないのかもしれません。ちなみに日本人は焼き魚や新鮮な海産物の匂いはいい匂いで食欲をそそると感じるものですが、オーストラリア人は「Fishy smell」(生臭い、魚臭い)と悪臭扱いすることがあります。特にするめいかなどはもってのほかでこんな臭いものがなぜおいしいのかと理解できないようです。ですので、焼き魚でもサーモンや白身魚のような魚臭さが控えめな魚が人気なのだと思います。3位のエビもオーストラリア人に人気で大きくてぷりぷりで新鮮かつ美味しいエビが気軽に食べれます。スーパーではすでに茹でているものと生のエビがあります。生のエビでも「Sashimi Grade」刺身にできるグレードと記載してない限りは火を通す必要があります。クリスマスやイースターにはこのエビがよく食卓に並びます。そして魚臭い、生臭いのが苦手なオージーでも牡蠣は別のようです。生牡蠣のほうがよっぽど海の香りが強く、癖がある気がしますが、牡蠣は人気で、生牡蠣にレモンを絞ってそのまま食べるのが主流です。レストランでは冷えたシャンパンや白ワインと生牡蠣を楽しむ人の光景をよく見かけます。私もお気に入りの組み合わせです。生の牡蠣が苦手という人は、バーベキューソースをかけベーコンを細かく刻んだものを乗せオーブンで焼いた「オイスターキルパトリック」や、クリームソースにチーズを乗せオーブン焼きにした「オイスターモネイ」というメニューも人気です。オイスターにバーベキューソースやクリームソースって合うの??と思うかもしれませんが、日本でいうカキフライにソースやタルタルソースをかけて食べる感覚と似ているかと思います。鮮度が落ちたものなどはこのような調理方法で食べたほうがおいしくいただけます。そして以外と知られておりませんが、オーストラリアでは美味しいマグロが獲れます。Bluefin Tuna (黒マグロ)やYellowfin Tuna(キハダマグロ)Albacore Tune(ビンチョウマグロ)と種類豊富に出回っています。新鮮なので刺身で食べたり、グリルにしますが、残念ながらこんなに新鮮でおいしいマグロが獲れていても一般のスーパーの魚売り場では刺身用のマグロはほとんど見かけません。刺身専用の魚屋へ行かない限り簡単には手に入らないのです。日本食レストランやお寿司屋さんへ行けば新鮮でおいしいお刺身が食べられます。少し前から人気になっている「Poke Bowl」(ポキ丼)にもサーモンやマグロのお刺身が使われています。ポキとはハワイの料理でご飯の上に醤油や油などで下味をつけた刺身にアボカドや玉ねぎや枝豆、海藻などを乗せたハワイ風海鮮丼のようなものです。回転ずしでもサーモン&アボカドロールが大人気ですし、マヨネーズ好きの人も多いですし、ヘルシーで食べやすいのでこのポキ丼はオーストラリア人のハートをがっちりつかんだのか、とても人気でここ5年以内であちこちにポキレストランができています。レシピも簡単なので家庭で作る人も増えてくれば、刺身好きな自分としてはお刺身の需要が増え、もっと身近なお店で買える時代が来ればいいなと思います。


写真左:スーパーで売っているサーモンの切り身。
写真右:スーパーで売っているエビ。ちなみにとなりにあるのはカナダ産ロブスター


お刺身が購入できる魚屋さん。切り身の枚数や予算を伝えて見繕ってくれます。

特派員

  • 菅沼 千栄子(旧姓 名倉)
  • 職業会社員

2000年に渡豪。日系旅行会社勤務等を経て、2014年から現地建設会社に勤務。休日は、趣味の一つであるソイキャンドル作りやビーチウオークを楽しんでいます。当地のレアな生活情報をお伝えしたいと思います。

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