• 2026.05.12
  • 窓辺で宇宙人を待っていた頃 – UFOのニュースを見て思い出す
子供の頃の私は、少し浮世離れしたところがあったらしい。
小学校に上がる頃には、一人でひたすら工作ばかりしていた。時には自分で書いた小説や漫画を雑誌のような形にまとめ、母に買ってもらっていた記憶もある。もちろん付録付きで。
こうして私は想像力たくましく、自分だけの世界をしっかり持った女の子へと成長していった。
中学生になる頃は、SFに夢中だった。中でも一番興奮したのは映画である。

80年代のキューバ暮らしだったため、映画館のようなものはなかったけれど、両親がこまめにビデオを買ったり、母が日本の親戚に頼んでダビングしたテープを送ってもらったりしていたので、それらを家族そろって小さなブラウン管テレビの前に並んで鑑賞していた。「スターウォーズ」シリーズはもちろん、「ブレードランナー」を観た時の衝撃は今でも覚えている。

私はとにかく宇宙が好きだった。
地平線まで広がる満天の星空や、ハレー彗星を肉眼で見られたことも影響していたのだろう。だが、決定打になったのは、当時父の同僚が貸してくれたSF雑誌だった。
私はその世界の虜になった。

ただ、私が惹かれたのは銀河や惑星、ロケット、宇宙船、飛行士といったものではなかった。
もっとも興味をそそられたのは、UFO(未確認飛行物体)や宇宙人だった。

「宇宙人に会ってみたい。」
13歳の少女にとって、それはとても大きな願いであった。
空を見つめながら強く念じていれば、いつか宇宙人が飛行物体で迎えに来てくれるのではないかと本気で信じていた。
ベッドを抜け出し、窓辺でじっと空を見つめ続け、朝になると床の上で寝落ちしていた。そんなことを何度も繰り返した。
その習慣がいつなくなったかは、全く覚えていない。

先月、ポルトガル北部で、UFOを目撃したという報道があった。
Vila do Conde(ヴィラ・ド・コンデ)周辺で、複数の市民が、不規則に急旋回する昆虫のような物体を見たらしい。
UFO研究家によれば、これは従来の円盤型とは異なる「インセクトイドUFO」に分類されるという。ハチやハエ膜状の翼みたいな形態や動きを持ち、生物と機械が融合した、いわばバイオメカニズムのような未確認飛行物体、というわけだ。
UFO目撃やUAP(未確認異常現象)報告は、実は2024年、2025年にもいくつかあった。いずれも正体は未確認のままだが、中にはアメリカで報告されているものに似た、不思議な光や動きをする物体が空に現れたというケースもある。

昔なら、自然現象や光の錯覚で片付けられていたかもしれない。だが今の空には、ドローン、各種飛行体、人口衛星などが当たり前のように存在する。可能性が増えた分、かえって話はややこしい。
UFOの存在は昔ほど「完全な未知」でなくなった一方で、現実的に説明できる現象も増えているというのは、なんとも皮肉である。

それでも古い記録には気になるものがある。
1954年に、ヤギの世話をしていた少年が、複数の飛行物体と搭乗者のような存在を目撃したという事例だ。
搭乗者は2人。どちらも頭が大きく、目が大きく、間隔が広かった。口が開いていて、頭には触覚のようなものがあったらしい。2人とも青い制服を着ており、1人はレバーのようなものを操作しているように見え、もう1人はその少年をじっと見つめていたらしい。

子供の頃の私に比べると、今の私は宇宙や宇宙人への興味こそ薄れてきたものの、その分知識は多少増えた。
では、もし今、宇宙人に遭遇したら、私はどのような反応をするのだろう。

窓辺で宇宙人を待っていた13歳の私は、もしかすると記憶を消されているだけで、床の上で眼を覚ますまでの間、本当は彼らの船に乗っていたかもしれない。
・・・SF映画の見過ぎだろうか。

特派員

  • 太田めぐみ
  • 職業修復士、通訳、コーディネーター/Insitu(修復)、Kaminari-sama、ノバジカ、他

ポルトガル在住の保存修復士。主に、絵画(壁画)や金箔装飾を専門にし、ユネスコ世界遺産建築物や大統領邸の内部を手がける。シルバーコースト近くの村で、地域に根付いた田舎暮らしを満喫している。趣味は、土いじり。

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