カナダ最大の都市トロントは、まったくもって夢のような街です。
ダイナミックに動く経済、豊かな自然環境、あり得ないほどの安心感、文化的なアクティビティの多彩さ…世界一の国際都市との呼び声も高いトロントの住民の半分ぐらいは非カナダ系の人々であるらしく、そんなところも僕がこの街を好きな理由です。
1日で世界中を見て回るなんていう遊び方も、この街にいれば余裕で出来ちゃいます。リトルインディアでショッピングするのもいいし、コリアンタウンではハイテク雑貨を物色しましょう。チャイナタウンのフットマッサージや、グリークタウンのギリシャ料理もおすすめ。リトルイタリー、リトルポルトガルの活気あふれるバーやカフェに立ち寄って一杯飲むのも最高です。ケンジントン・マーケット(チャイナタウンのすぐ近く)の散策コースも外せません。この界隈は、ひとつの限定された国籍によるのではなく、世界中のショップや工芸品店、ヴィンテージショップ、各国のレストランなどと共存しながら発展してきたエリアです。
このケンジントン・マーケットでトロント随一のベストスポットと言われているのがタイとハンガリア料理のレストラン、その名もHungary-Thai Bar and Eatery。異なったルーツを持つオーナーが集まることで民族のハイブリッドが結実した、まるでカナダそのもののようなお店です。
移民がとても尊重されるトロントでは、異なるコミュニティが調和を保ちながら共存しているように思います。
CNタワーのそばでたまたま見ることができた写真家のChangの展覧会“Windows of the World”でも、この街とこの国の懐の深さが非常に巧みに表現されていました。
ギャラリーには、国籍の異なる46人の移民たちを撮った46枚の写真が展示されています。写真にはすべて46ヶ国語に翻訳したメッセージが添えられていました。
この展覧会の解説文というのがまた良かったのですが、中でも僕が好きだなと思ったのが次の一文です。「さまざまな国からやって来た人々が、トロントを自らの故郷だと感じている。スペイン語・ソマリ語・ポーランド語・パンジャブ語、私たちはそれぞれ異なる母語を話す。キッパを着る人もいれば、キルトを纏う人もいる。キムチを食べる人、ケバブを食べる人。ある人はイースターを、またある人はイド・アル=フィトル(ラマダン明けの祭り)を祝う。」
トロントという街は、世界中のさまざまな場所に起点を持つ個々の体験によって紡がれた物語のパッチワーク都市であり、多様な文化を統合することで国の得がたい財産に変えたモデル都市でもあるのです。カナダの多民族性の中心地、トロント。人口は500万を超え、オンタリオ湖まで50㎞というロケーション。カナダで最も大きく、最も国際的な都市です。19世紀以降に大量に移り住んできた移民たちは、都市の構造に多彩な変化をもたらしました。歴史的に集落を形成してきたチャイナタウンやリトルイタリー、グリークタウンなどは、最も民族色が豊かで非常に人気のスポットです。
世界中から集まった香りと色彩でむせ返るようなケンジントン・マーケット。同名の地区に常設された市場には古着屋をはじめ様々なショップが立ち並び、陽気で自由奔放な雰囲気に身も心も浸れるというものです。
映画の世界で今や世界屈指の名門となったのが、トロント国際映画祭。世界各国の作品が一堂に会するこの映画祭は文字どおり国際的なイベントです。
トロント島から眺める大都会のビル群もたいへん特徴のある景色です。カナダでの映画撮影にこの風景が使われることも少なくありません。
都心から離れて、エレガントなブロア・ヤング駅界隈から北西方面に向かって少し足を延ばしてみれば、たちまち別世界にトリップするでしょう。ビクトリア朝の小綺麗な通りにはギャラリーやカフェ、ファッションブティック、シックなレストランが並んでいます。このあたりはヨークヴィルといって、かつての自治村落がトロントの居住地区になった場所です。典型的な郊外の街並みといった雰囲気のスカボローは、いわゆる田舎町として見られていたことも。ここの見ものはスカボローブラフス。これはオンタリオ湖を見下ろす断崖絶壁で、わざわざ行く価値ありの名所です。
オンタリオ湖に浮かぶトロント島へは、港からフェリーに乗ればものの数分で上陸できます。
美しい砂浜で日光浴するもよし、サイクリングやカヌーを楽しむもよし。対岸の摩天楼や湖の素晴らしい眺めを堪能するなら、トロント島は超おすすめです。
トロントの壁画たち