• 2015.10.16
  • 安定、安心、安全、食料事情もやっぱりドイツ
ドイツの食料自給率は約101パーセントと大変安定しており、国内でほぼ食料が調達できます。それゆえ、27%の日本と比べるとどこか安心して生活ができます。日本は島国なので魚介類が豊富ですが、ドイツは海が北側にしかないので、内陸のほとんどのドイツ人は魚よりも肉食を好んで食べます。主食はなんと言ってもジャガイモとパン。パスタも多く食べられますが、特に年配の方はジャガイモが大好き。「ボクはKartoffelesser(ジャガイモを食べる人)です」という言い方もあるほどです。 ジャガイモは比較的安価で12.5キロで8ユーロ(1100円ほど)と、5個で200円前後の日本では考えられません。ちなみに、日本人にとって主食はお米というのが当たり前ですが、ドイツ人の友人のお子さんはお米を一切食べないそうです。ドイツと日本の食文化の違いを目の当たりにしました。

ドイツには、その名も『Grünen(緑の党)』という政党があるほど、緑や環境にとても厳しく様々なルールがあります。 例えば、自宅の大きな木を切るにも町の許可が必要です。夏の繁殖期は鳥の巣があるかもしれないので、春から9月末までは許可が下りても木を切ってはいけません。また、車を自宅で洗うことは、排気ガスのついたススが地下水に流れるので20年以上前から禁止だそうです。隣国に比べると肥料や農薬、ホルモン剤使用基準などにも厳しいのですが、裏を返せば、緑や環境を大切にするためですので、ドイツ国内で出来た農作物は安心していただくことができます。

各地で週に一度はマーケットがあり、農家が自分のところで作った農作物を中心に売りに来ます。旬の新鮮な農作物が安く美味しくいただけるので、スーパーでの買物よりも人気があります。

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私の住むところで採れる、旬の食材は様々です。

春…いちご、ホワイトアスパラ、グリーンアスパラ
夏…トマト、きゅうり、葉もの野菜、ベリー系(ヨハネスベア、ブルーベリー、ブロンベア等)、
  じゃがいも、小麦
秋…リンゴ、梨、かぼちゃ、栗、きのこなど
冬…クリスマス用グース、七面鳥

ドイツのミュンヘンは北海道と同じ位の緯度です。リンゴやじゃがいも、ホワイトアスパラが育つので、北海道に似た気候と言えるでしょう。

マーケットだけでなく農家直営店のお店もなかなか魅力的です。近くの農家では、なんとミルクの24時間自動販売機があります。ガラスの容器を持っていけば1リットルで90セント(約120円)。
良心的な値段で、いつでもフレッシュかつ濃厚なミルクを味わうことができます。

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他にも、自分で花を摘み取れる畑があるので、その季節に咲く花を間近に感じることができます。

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ドイツ人主食のパンにかかせない小麦。夏の収穫時期には畑の真ん中に車輪のようなものがゴロゴロしています。
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小麦を収穫した後の藁は馬やニワトリへ使われます。そして馬糞や牛糞は農作物の肥料にされるため、肥料をまく時期は周辺がとても臭います。しかし、そうやって作られた農作物は風味と味が抜群ですので、ドイツの農家で作られる食べ物は消費者にとって、目に見えて安全な最高の贅沢と言えるでしょう。

秋に様々な収穫が終わると、寒い冬が来るまでグースの成長を見守ります。こんなに素晴らしい草原の中で育つグースを、年一度だけ味わえるクリスマスが待ち遠しい、そんなドイツ人の気持ちが分かるような気がする今日この頃です。

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特派員

  • 理夢
  • 職業いけばな活動家

ドイツ在住5年目。海外で「和の心」を忘れず、「いけばな」と「着物」を中心に日本文化活動を行う。日本の美を広めるべく、また次世代にも継承していけるよう精進して参ります。

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