• 2015.10.02
  • バルセロナの魚屋食堂
いつもと違った土地で、いつもと違ったものを食べるのは旅の醍醐味。食べるだけでなくご当地スーパーや市場、商店街などで食材を覗いて歩くだけでも楽しいですね。 スペインでも、名所旧跡、神社仏閣、美術館や世界遺産巡りなどと並んで、地元の市場やスーパー見物は人気があります。日本では、旅先で新鮮な魚介を見つけたら、“クール便”で自宅へ直送という便利なシステムがありますが、外国ではそれも叶わぬ話。果物やスイーツならまだしも、市場で見つけた“ててかむ鰯”をホテルへ持ち帰って部屋で調理することもできないので、カメラに収め「食べたかったなぁー」という思い出だけを持ち帰ることになります。

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写真1: 貝類4種類


バルセロナで、そんな思いを晴らしてくれる店を見つけました。一寸見は近所の奥さま方ご用達の魚屋さんですが、調理場があり、その奥にはイスとテーブルのイートインコーナー…というにはあまりにも素朴なしつらえの食堂。目ぼしい海産物をお好みの量で選び、鉄板焼きとかフライ、酒蒸し等、調理法を指定しながら注文するシステムです。

   

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  • 写真2:
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  • これがイチョウ蟹です
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  • 写真3:
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  • ロブスターと鮟鱇の間にアカザ海老
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入店すると、目の前には新鮮な魚介類がてんこ盛り。この日は、牡蠣、ムール貝、ザル貝、アサリ貝、ガンバ海老(塩茹でと生)、イチョウ蟹、生きているロブスター、アカザ海老、地中海本マグロ、鮟鱇、チャンケーテ(生シラスもどき)、甲イカ、スルメイカ、小ダコ、小イカなどなど。真夏という時節柄ですし、世間は休暇中という事もあって、これでも普段よりは品数が少ないのかもしれません。

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写真4: マグロとザル貝の大胆な盛り付け


さて、次は、威勢のいい店員さんに注文です。今回はマグロ300g、小ダコ400g、ザル貝300g、ガンバ海老300gをそれぞれ鉄板焼きにしてもらいました。出来上がると「特製ニンニク・オリーブドレッシングをおかけしますか?」と聞かれました。折角ですが、国内旅行必携のチューブ入り生わさびとミニパック醤油を持参していたので、自己責任で和風の味付けにアレンジしました。辛口の白ワイン一本とミネラル・ウォーター、出来合いの野菜サラダも付けて、しめて6千円程度のささやかな贅沢。素材の新鮮さと値段を考えれば、大雑把な盛り付けや単純な味付けもかえって魅力です。

この時、隣の席にお座りの妙齢な現地カップルは、蒸したムール貝やイカリングとザル貝の鉄板焼きなどを召し上がっていました。さらに、そこにやってきたのは大量のガンバ海老!その旺盛な食欲に感服し、御本人達の了解を頂いたうえで撮影した写真をご紹介します。

   

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  • 写真5:
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  • ガンバ海老と小ダコの素っ気ない盛り付け、右上少し見える緑色は例の練りワサビ    
   

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  • 写真6:
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  • ガンバ海老の爆盛り
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余談ですが、スペイン語のガンバ(Gamba)とは、芝エビや大正エビ、車エビのような小型のエビという意味です。さすれば、ガンバ大阪とは“なにわ海老”かと思いましたが、イタリア語のガンバは脚、“脚を使って頑張る大阪”ということだそうです。

特派員

  • 山田 進
  • 職業スペイン語・日本語通訳

スペイン政府より滞在許可と労働許可を頂き、納税・社会保険料納付をはじめて早37年。そろそろシルバー人材センターへの登録も視野に入った今日この頃、長い間お世話になったこの国のことを皆様にご紹介できることを楽しみにしています。

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