お彼岸は春夏二回、あの世(彼岸)がこの世(此岸)に一番近くなる時にお墓まで出向いてご先祖様を供養する行事でしょうか。
スペインなどカトリック教の国でも故人を祀る行事があります。11月1日は「諸聖人の日」という、全ての聖人、殉教者、故人を祀る日でした。墓参りをして花を手向け、お祈りをして祖先を供養するのが習わしで、こちらは日本のお彼岸と同様ですね。
[caption id="attachment_1416" align="aligncenter" width="400"]

スペインのお墓詣で。 http://www.lasprovincias.es/より
[/caption]
日本のお彼岸に欠かせないのが春のぼた餅と秋のおはぎ。これは、牡丹と萩にちなんだお供物です。一方、スペインの諸聖人の日の定番はブニュエロ・デ・ビエント(Buñuelo de Viento)と言う名前の揚げ菓子です。揚げた小型のシュー生地に各種の詰め物をした状態を想像して頂けたら当たらずとも遠からず。姿形は“素”たこ焼?または明石焼きにも見えませんか?[caption id="attachment_1416" align="aligncenter" width="400"]

こちらの中身はカスタードクリーム。
[/caption]
[caption id="attachment_1416" align="aligncenter" width="400"]
近所のパン屋さん、店内ショーケースはたこ焼きもどきがテンコ盛り。
中身は定番のカスタードクリームの他、チョコレート、プラリネ、
生クリーム、甘草、かぼちゃジャムなどお好み次第。
[/caption]
定番のお供物がもう一つあります。それはこの日にちなんだウエソス・デ・サント(Huesos de Santo)、日本語に訳すと『聖人の骨』というオドロオドロしい名前の五家宝状の半干菓子です。こちらはアーモンド粉と砂糖を主原料としたマジパン生地で、卵黄の砂糖固めやらチョコレートやらイチゴジャムを巻いた激甘スイーツです。中身は定番のカスタードクリームの他、チョコレート、プラリネ、
生クリーム、甘草、かぼちゃジャムなどお好み次第。
[caption id="attachment_1416" align="aligncenter" width="400"]

ショーウィンドー、手前に陳列されているのが『聖人の骨』。
[/caption]
[caption id="attachment_1416" align="aligncenter" width="400"]
骨菓子のアップ画像。中身はスタンダードな卵黄餡。
[/caption]
ちなみに、ヨーロッパで始まったハロウィンも、毎年10月31日に死者の霊が家族を訪ねて帰ってくるのをお迎えする行事がその起源だそうです。藪入りという点ではお盆と共通点がありますが、日本と違って霊の帰省ラッシュのどさくさ紛れに悪霊達も便乗してやってくるので、カボチャをくり抜いた魔除け提灯で追い払うとか。近年、日本でも盛大に行われるハロウィンは、魑魅魍魎が跋扈する悪霊達の独壇場とお見受けします。