• 2022.07.28
  • OTAN

画像1

オタンとはスペイン語でNATO 北大西洋条約機構のことです。スペインが16番目の加盟国として正式承認された1982年5月から丁度40年の節目の年に、ロシアによるウクライナ侵攻等を受け6月29日から2日間マドリードで首脳会議が開催されました。この会議には加盟国以外にも日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドがアジア太平洋地域のパートナー国として招待されました。画像1.は今回の首脳会談と加盟40周年を記念して発行された切手です。

その最初の公式行事が会議開始の前日6月28日にマドリードの王宮で行われたフェリペ6世スペイン国王陛下主催晩餐会でした。当宮殿の厨房の記事を2回ほど書いた都合上というか行きがかり上この晩さん会のご報告をします。実際には他所で調理された料理ですが最終仕上げや飲み物の準備などは王宮内の厨房が使われたと拝察します。

58人の招待客に振舞われた献立は13種類にも及ぶアペリティボaperitivo と呼ばれる前菜から始まりメイン一皿とデザートで構成されています。


写真1


写真2

前菜13種
-Aceituna esférica 液状オリーブの球体仕上げ(*1)
-Brioche de atún rojo a la mostaza antigua.赤(黒)マグロのブリオッシュ・昔風のマスタード
-Ceviche de corvina con leche de tigre.コルビナ(スズキの類)のセビチェ仕立て・タイガーミルク(*2)
-Air bag de picaña.牛イチボのエアーバッグ(*3)
-Bogavante con sopa de aceite y pomelo rosa.ピンク・グレープフルーツとオリーブオイル・スープを添えたオマールエビ
-Tortilla de camarón.カマロン小エビのオムレツ
-Sardina marinada con salsa romescu.鰯のマリネ・ロメスコソース添え
-Taco de ternera glaseada.サイコロ仔牛のグラッセ 又は 仔牛のグラッセのタコス
-Gilda de Salmón ahumado.スモークサーモンのギルダ(*4)
-Croqueta de gamba al ajillo.ガンバ蝦のアヒージョのコロッケ
-Kikos con guacamole.トウモロコシとワカモレ(アボカドディップ)
-Buñuelo de bacalao.鱈のフリッター
-Gazpacho al aceite de albahaca.バジルオイル風味のガスパッチョ

主菜は一皿
- Merluza con salsa menier, tapioca y huevas de trucha.メルルーサのムニエル・ソースとタピオカ、鱒イクラ添え(*5)

デザート
- Espuma de coco con granizado de menta y fruta de la pasión. ココナツのエスプーマ、ミントとパッションフルーツのフラッペ。

字面だけでは想像もつかない料理が並んでいますね。
(*1)写真1.が液状グリーンオリーブの球体仕立てです。近年話題の分子調理の一種でしょう。
(*2)セビチェとそのマリネ液であるタイガーミルクは南米ペルーの代表的一皿です。
(*3)牛のエアーバッグとは何ぞや?想像もつきません。
(*4)写真2.スペインでも美食で有名なバスク州はギプスコア県の県庁所在地サン・セバスティアン市で生まれたオリーブと酢漬けの青唐辛子とアンチョビを楊枝に刺したピンチョです。名前の由来は往年の大女優リタ・ヘイワース主演の映画“ギルダ”から・・・オリーブの緑verde、唐辛子の辛味picante、アンチョビの塩味salado のスペイン語の意味は色っぽくて、刺激的で、小粋な、とでもいえますか。今回はアンチョビの代わりに鮭の燻製が使われています。
(*5)このメルルーサ、日本ではのり弁に乗っかっていたり、フィッシュ・バーガーによく使われるあの白身フライで重宝されている、どちらか言うと安価な魚と考えられていますが、24種あるといわれている中で北大西洋で捕獲される種類は高級魚として知られ特に一本釣り物はMerluza de pincho と呼ばれて珍重されます。格式高い王室晩餐会でも主菜としての大役を十分に果たすことのできる優れものです。


晩餐会でスペイン伝統料理や近年話題の分子調理を駆使したレシピ、中南米風の仕立てもあるバリエーションに富んだ献立を編み出したシェフはPaco Roncero さん。2004年現国王陛下御成婚の折、披露宴でも腕を振るったスペインを代表する料理人の一人です。晩餐会の評価については直接会食者から聞くことはなかったようですが、厨房に戻ってくる皿の状態を見て成功を確信したとか。さぞ会議前の和やかな会食の雰囲気を演出したことでしょう。

特派員

  • 山田 進
  • 職業スペイン語・日本語通訳

スペイン政府より滞在許可と労働許可を頂き、納税・社会保険料納付をはじめて早37年。そろそろシルバー人材センターへの登録も視野に入った今日この頃、長い間お世話になったこの国のことを皆様にご紹介できることを楽しみにしています。

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