• 2016.10.11
  • ミラノ 食卓の変貌
東京にいながらにして北海道のタラバガニが手軽に食べられるようになり、各地の特産品を自宅にいながらにして堪能できるようになったのは、まずは流通システムの発達のお陰であり、食材の保存方法の種類と進歩が貢献しているでしょう。
日本国内の話だけでなく、海外の食材の輸入品も増え、私たちの食生活がバリエーションに富み、食材を通して他国の文化の一面に触れられるようになったのは喜ばしいことです。

イタリア人の食事に対する情熱が非常に高いのは世の中に知られていますが、伝統的な郷土料理が豊富である一方、なかなか他国の料理を受け入れられず閉鎖的だったのがイタリアの食卓でした。

そんなイタリアにも激しい寿司ブームが到来し、ミラネーゼのピザを食べる回数は寿司を食べる回数をとうとう下回ってしまったそうです。これは、衝撃的な現象としか言いようがなく、なぜなら二言目には「ピッツァ」という言葉を使うイタリア人。
「今度、夕食に出かけない?」と誘う代わりに「今度、ピッツァでも食べに行かない?」と言うのが定番。子供も大人もピッツァにありつければニコニコ。「えー、ピッツァなんてヤダぁ」なんていう人に会ったことがありませんでした。それこそ「チャオ!」という挨拶の代わりに「ピッツァ!」と其の内言うようになったりして!と一人ニヤけていたこともあったのですが、そんな時代は来ないにしろイタリア人の二言目には「ピッツァ」ではなくて「スシ」となりました。
ミラノでは、中国人が作る寿司食べ放題のレストランが50メートルおきに出来てしまったほどです。イベントや結婚式のケータリングにも、巻き寿司がほぼ必ず登場するようになりました。

近年、グルテンアレルギーのイタリア人が増え、小麦粉をたっぷり使っているピッツァやパスタは困り物になってしまいました。寿司食べ放題がピッツァ屋を表彰台一位から下ろしてしまったのには、食物アレルギーも関係しているようです。 そんな私も毎日パスタを頬張っていたのですが、最近ある時からグルテンアレルギーになってしまいました。
でもミラノのスーパーではグルテンフリーの食材が売られていて、種類の多さと質から需要の多さが伺えます。

それで、寿司食べ放題のお味のほどは?とお聞きになりたいところでしょうか。
ぜひ試しに来てください。
いずれにせよ、寿司ブームのお陰で海外にいながらにして、お手軽に寿司を食べられる時代になったのは有難いです。スシ 万歳!

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特派員

  • 三上 由里子
  • 職業音楽家

チェリスト。ミラノを本拠地に、ソロコンサートアンサンブルの編成で演奏活動の傍ら、演劇、画像、舞踊やライブ演奏を組み合わせたマルチスタイルの舞台プロデュース。

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