イタリアの観光において日本人に人気がある都市は、ローマ、ヴェネツィア、フィレンツェ、シチリア、ミラノでしょうか。実はミラノは、イタリア人の間では評価が高くはありません。
ミラノに来るローマっ子たちは、ミラノのどんよりした天気を容赦無くけなします。ミラノに20年住む私の感想は、ローマやヴェネツィアの圧倒さは無いにしろ、詩的な観光が出来る素敵な町だと思います。前回書いた記事は、骸骨の話でしたので今回は何かしら陽気な話題にしたいと思うのですが、何と言ったらいいのでしょうか。おどろおどろしいものにハマってしまった時期とでも言いましょうか。目につくもの、気になるものが晴れやかなものからは程遠いのです。ミラノには前回お話しした骸骨教会の他にもゾクゾクっと寒気がするようなホラースポットが実は隠れてまだまだあるのです。私には霊感は無いので、ホラースポットを通っても何も感じることなかったこともあってか、伝説や事実を知らずに通り過ぎている場所がいくつもあり20年間のミラノ生活を恥ずかしく思うこの頃です。ミラノの最古の教会のうちの一つであり、ミラノの守護神が祀られるサンタンブロージョ教会は、訪れる誰もがため息をついて感動する美しさを保っています。その教会の外観の美しさに見とれて、つい見落としてしまうような白い柱が教会の横に立っていて、この教会を何度も訪れたことがある私でさえもこの20年間一度たりと気がつかずに見過ごしていたほどです。一本だけ取り残されたように立っているこの白い柱。なんと「悪魔の柱」と言う名前なのです。この柱には二つの穴があるそうですが、よくよく考えたらその穴をじっくりと観察できるほどの距離まで近寄ったことは無くって、と言うことは、私には霊感は無いと信じていたのですが、 もしかすると霊感的に無意識に近寄ることを避けていたのかもしれない、と思い始めたくらいです。二つの穴をよく見ると、穴には何かが詰まっているのだそうです。それは、聖人アンブロージョが悪魔を退治したした時の悪魔の二本の角だか、、、伝説にしてはリアリティーに富んだ二つの穴のようですよ。
サンタンブロージョ教会についての研究や歴史を読んでみると、色々な発見に溢れていることを最近知りました。今まで調べずに表面的に教会を傍観してきたことが恥ずかしいくらいです。一般的な教会の歴史の他に、変わった特徴として、この教会の壁の一部には紛れるかのように埋め込まれたチェスボードがあるとか、 最後の審判の日に動き出して這い下りて来ると言われている、柱の上に飾られたブロンズの蛇とかがあって、なんだか不気味な印象を覚えるのは私だけでしょうか、、、?
ミラノの街の探検はこれからますます楽しくなると実感するこの頃です。