• 2019.05.28
  • サーフ メッカ


ポルトガルの海は、サーフィンに最適だと言うことはご存知でしょうか?
中でも私が住む地域のビーチは、世界中からサーファーが集まるサーフメッカとして有名です。
このエリアは、一般的にエリセイラと呼ばれています。



エリセイラは、2011年に正式に World Surfing Reserve(世界サーフィング保護地) としてSave the Waves Coalition より指定されました。Save the Waves Coalition は、世界中の(主にサーフィンが盛んな)海岸線を保護する目的で発足した非営利団体です。
世界のサーフィン保護地区として指定されるのには、厳しい条件がいくつかあるのですが、どの点でもエリセイラはそれを十分に満たしてます。そして団体スタート後、なんとエリセイラは世界で二番目にこのタイトルを得て、未だヨーロッパで唯一指定された地域です。

1. 波の質が良く、一貫している
 エリセイラは、特徴の違う海岸が続き、自分にあった波を見つけることができる。
2. 特別な環境背景
 エリセイラは、生物多様性に富んだ海であり、1000以上の海洋生物が存在する。また海岸の岩場も多様な生物の住処になっており、保護する価値のある環境である。
3. 素晴らしい文化とサーフィン歴
 エリセイラは、昔らか海を中心として栄えた街であった。港は州一番だった時もある。それが次第にリゾートして発展し、現在のようなサーフィン中心の街へと発展していった。
4. 十分なキャパとローカルサポート
 エリセイラは、海外からのサポートだけでなく、ローカルの団体、企業、政府機関まで協力しあい、より良い地域にしようと努力している。

世界サーフィング保護地として選ばれると、そこのサーフブレイクとそれを取り囲む環境が保証される事になります。要するに、今と変わらぬ波と自然を未来のジェネレーションにも楽しんもらえるようにするというコンセプト。
ユネスコのように、名前を与える事で、その地域を破壊し得る企画や計画を実行できないようにし、そこを守るのがモットーです。

「World Surf Reserve」は、膨大な助成金が出るようなビッグタイトルではありません。ですが、広く認知され、人々に「海・自然を大事にしよう」という概念を植え付けるには十分なネームバリューを持っています。小さな動きでも、大きな変化を生むのは間違い無いと思っています。



特派員

  • 太田めぐみ
  • 職業修復士、通訳、コーディネーター/Insitu(修復)、Kaminari-sama、ノバジカ、他

ポルトガル在住の保存修復士。主に、絵画(壁画)や金箔装飾を専門にし、ユネスコ世界遺産建築物や大統領邸の内部を手がける。シルバーコースト近くの村で、地域に根付いた田舎暮らしを満喫している。趣味は、土いじり。

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