• 2016.05.20
  • カンパニア ワインの旅
カンパニア地方のワイナリー77社が集まって「カンパニア ストーリス」という催しがあり、日本のジャーナリストとしてご招待いただきました。
アジア圏からは私だけで、最初戸惑いもありましたが,カンパニアには昨年から何度となく来ていた事もあり、兼ねてからより深くカンパニアについて調べてみたかったので「カンパニア ストーリス」は貴重な経験となりました。

カンパニアはナポリ、カゼルタ、ベネベント、アッヴェリーノ、サレルノ(Napoli,Caserta,Benevento,Avellino,Salerno)の5つの都市からなり、期間中ベネヴェントに滞在し、初日と最終日は一日中ワイナリーを回り、それ以外の4日間は午前中に試飲を済ませ、午後からはワイナリーを回り、夕食会は連日違う都市を訪れ、それぞれの地域のワインと料理をその地域のワイン生産者の方達と一緒に頂きました。

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観光地としても有名なところが多く、青の洞窟のあるカプリ島やイスキア島、アマルフィ、ヴェスヴィオ火山、があるところと言えばカンパニアがどのあたりか分かる方も多いのではないでしょうか?

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カンパニアのワインや郷土食について一つの記事だけで表現するのはあまりに難しく、今回は日本でもまだ知名度の低いピエディロッソという赤の土着品種について書いてみたいと思います。

ピエディロッソとは赤ワインに使われるカンパニアの土着品種で、ピエディ(足)ロッソ(赤)赤い足の名前通りぶどうの枝が赤い事からこの名がついたと言われています。

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カンパニアを代表する長期熟成向きの偉大な赤ワインであるタウラージは南のバローロとも言われるほど世界的にも有名な赤ワインのひとつですが、生産までに最低4年かかり、なにぶん値段も高く、その上市場に出回ったばかりの若いワインは非常にパワフルでタンニンも酸もしっかりしている事から、長期熟成させないとなかなか若いうちではその実力を発揮できないところがあります。しかしながら、ピエディロッソは飲み時も早く,タンニンもマイルドで価格的にもタウラージよりお手軽で、買ってすぐにでも飲んでいただけるワインで、程よい酸が料理にもとても合わせやすく毎日でも飲んでいただけるワインではないかと思います。

いろんなワイナリーを回った中でピエディロッソを作っているワイナリーへも訪れました。
ピエディロッソはカンピ フレグレイで主に作られており、カンピ フレグレイというと聞きなれない方も多いかもしれません。カンピ フレグレイはナポリにあり、カンピ フレグレイからはカプリ島やイスキア島が一望できるぐらいすぐ近くにあります。

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カンピ フレグレイにあるワイナリーを訪れた時、若い造り手が自分の育った土地を深く愛し、その地で出来る土着品種のみにこだわって、これからカプリ島、イスキア島のワインに加えカンピ フレグレイの地域の歴史をワイン通じてもっとイタリア全土に、世界に向けて広めて行きたいと話していました。彼の情熱あふれる希望に満ちた顔を見て、思わず感動してしまいました。
最後にこの造り手にピエディロッソはどんな料理に合うと思うかと訪ねてみたところ、ピッツァ!と即座に返事が返ってきました。
ピッツァ=ピエディロッソ!
確かに今はいろんな地域に美味しいピッツェリアは出来ましたが、カンパニアはトマトをはじめとするおいしい野菜や水牛のモッツァレッラが出来る地域でもあり、美味しい素材がそろう事からも、ピッツァを食べるならやはりカンパニアだと思います。

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ナポリを訪れた時の夕食会はやはりナポリの美味しいピッツェリアでナポリ周辺にあるワイナリーの方達との夕食会でしたがその時もピッツァとピエディロッソをはじめとする地域のワインを頂きました。
その土地で出来たワインとその土地の料理が合わない訳がないです。
今回いろんなところでいろんなお料理を頂きましたが、私が最も感動した食べ物はやはりピッツァでした。
是非、カンパニアに来られた際はピッツァにピエディロッソの赤ワインを試してみては如何でしょうか。


特派員

  • 津田 みらい
  • 年齢亥( いのしし )
  • 性別女性
  • 職業AISソムリエ(イタリア国家資格) ・ワインジャーナリスト

ソムリエ資格を取得後、毎年、200件に及ぶワイナリーを訪問し、ワインセミナーの開催やワインやイタリア料理についての執筆を通して、日本の方々にイタリアの魅力を伝えていく事を目指しています。

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