• 2026.07.08
  • ヨーロッパのスズメバチ
先日、庭の草むしりをしていて、邪魔なものを退けようとして、ハッと手を止めた。蜂が数匹飛び回っていたのだ。どこか近くに巣があるはずだと、探してみると、放り出されたバケツの中と、庭に置かれたタイヤの内側にそれぞれ作りはじめの小さな巣ができていた。
これはこちらで「ヴェスパ」と呼ばれる種類で、日本語ではヨーロッパスズメバチに当たるらしい。


ヨーロッパスズメバチ

スズメバチといえば、数年前から日本にも存在する、アジアスズメバチが問題になっている。
元々ヨーロッパには生息していなかったが、2000年代初頭フランスに侵入し、その後急速に分布を広げた。近年は気候条件も追い風となり、ポルトガルでも各地で見られるようになった。特に私の住む地域は、自然豊かな田舎町なので、香りの高い木の周りを飛び回っているのを目にすることも多くなった。厄介なのは、迷ってベランダの中に迷い込んでくることもあり、非常に危険なのである。

叩いて殺すのも怖いというか、気の毒なので、刺激しないように外に出してやるのだが、それも決して正しい対処法とは言い難い。各所で事故があったり、他にも被害が出ているからだ。アジアスズメバチは、ポルトガルでは侵略的外来種として指定されている。

マフラ市では、フライヤーを配布して、市民にできる最善の対策を呼びかけている。
フライヤーではまず、アジアスズメバチの識別方法や生態、巣の特徴、駆除方法について説明している。次に重要な点として、実際見つけたらどうするかを説明しています。
知らずに巣を自分で壊して、大きな事故につながったケースも何件かありました。それを避けるために、まずは写真を撮り、場所を記録し(GPS座標など)、市役所へ連絡する。そのための連絡先も記載されている。

このアジアスズメバチが問題なのは、ミツバチ、在来のハチ、その他の花粉媒介昆虫を捕食するためです。そして、自然界に天敵が少ないため急速に増加するそうです。例えば、アジアスズメバチはミツバチへの脅威が大きく、4〜5匹が巣箱に侵入すると、1時間で数千匹のミツバチを殺すこともあるそうです。

庭にある、古い鶏小屋に、出来かけのミツバチの巣を発見したことがあります。ただし、ミツバチは1匹も住んでいません。周りを飛び回っている姿も見かけません。それはアジアスズメバチの影響かもしれない。


ミツバチの巣

私がこの地域に住み始めた頃は、たくさんのミツバチが飛んでいましたが、数年前から本当に見なくなりました。そしてアジアスズメバチが広がった頃から、ヴェスパ(ヨーロッパスズメバチ)を見かける機会も減ったような気がする。


かつてウチに迷い込んできて息絶えたハチたち(左上がアジアスズメバチ?)

マフラ市では、養蜂業が比較的盛んで、いろんな種類のハチミツが販売されています。オレンジの花、栗の花、ユーカリ、ローズマリーと種類も豊富です。近年ハチミツの価格もずいぶん上がった。天候不順や生産コストの増加など様々な要因があるのだろうが、ミツバチを取り巻く環境が厳しくなっていることも無関係ではないのかもしれない。

この先も、ハチミツがどんどん貴重になっていくのでしょうか?
ハチミツ好きな我が家には、とっても残念です。。。

特派員

  • 太田めぐみ
  • 職業修復士、通訳、コーディネーター/Insitu(修復)、Kaminari-sama、ノバジカ、他

ポルトガル在住の保存修復士。主に、絵画(壁画)や金箔装飾を専門にし、ユネスコ世界遺産建築物や大統領邸の内部を手がける。シルバーコースト近くの村で、地域に根付いた田舎暮らしを満喫している。趣味は、土いじり。

太田めぐみの記事一覧を見る

最新記事

リポーター

最新記事

PAGE TOP