〜3D映像の中にその場で創る鉄道乗車マイコンテンツ〜Sharelog3D

東京大学大学院 情報理工学系研究科 廣瀬・谷川研究室

「Sharelog3D」は、東京大学廣瀬・谷川研究室の開発したメディアアート作品「Sharelog」と、情報通信研究機構の開発した200インチの大画面裸眼立体ディスプレイ「REI」がコラボレーションした展示作品です。
Sharelogは、個人が保有する交通系ICカードに記録された鉄道の利用履歴を読み取り、鑑賞者の電車移動の軌跡を可視化するインタラクティブなアート作品です。また、裸眼立体ディスプレイ「REI」は特別なメガネをかけずに立体映像が楽しめるだけでなく、ディスプレイの前で左右に動くと、目の前に実物があるのと同じように、位置に応じて見え方が変化します。
今回、この2つの技術のコラボレーションにより生まれた「Sharelog3D」は、ICカードをかざすという単純なアクションによって、立体的に表示された大阪周辺の地図上に、その人が鉄道で移動した軌跡が光の筋として浮かび上がります。星座にも見える軌跡を鑑賞しながら自身の日常を振り返るだけでなく、他の人と見比べたり、描かれた軌跡をきっかけにその場にいる人同士で会話が生まれるなど、公共の空間で多くの人を巻き込む展示作品になっています。また、過去にSharelogを展示した場合に比べ、大画面で地名や地形が立体的に見えることでダイナミックさが増し、通行客の多くが目を留める作品へと進化しました。
当作品は2015年4月1日から1週間、その後好評のため時間帯を限定して2週間延長上映され、2015年11月にも4日間限定で上映されました。約1300人が体験し、自分の日常が世界でただ一つのアートとなって目の前に現れる、不思議な体験を楽しんでいました。

Sharelog3Dの展示風景
Sharelog3D体験の様子。ICカードをかざすと、大画面の立体ディスプレイに表示された地図上に、電車での移動の履歴が光の軌跡となって描かれます。

作品の体験方法
ICカードを台にかざすだけで簡単に体験できます。作品を鑑賞するだけでなく、自分の履歴を反映させ作品を形作る「創り手」として、誰でも展示に参加することができます。

地図上に表示される軌跡
表示された軌跡は、まるで地上に描かれた星座のように浮かび上がり、作品を体験する人の日常を反映した世界でただ一つのアート作品として楽しむことができます。

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