• 2023.08.18
  • パンタナールで興奮しっぱなし!
パンタナールは南米の中部にあり、世界最大級の熱帯性湿原です。その面積は19万5千平方キロです。その広さは日本の本州(22万7千平方キロ)の面積程あります。パンタナールは大湿原と言う意味です。
ブラジルに属するパンタナールの面積は15万平方キロで、35%がマット・グロッソ州、65%がマット・グロッソ・ド・スル州に属します。(マット・グロッソ側を北パンタナールと呼び、マット・グロッソ・ド・スル州側を南パンタナールと呼んでいます。)隣国のボリビア国の東部とパラグアイ国の北部にも4万5千平方キロ属しています。
パンタナールの平地70~80%は雨季(10月頃から4月まで)に、パラグアイ川が氾濫して平地が水没します。5月から9月までの乾季には水量も2~5m程下がり、大草原に変わります。パンタナールには多種多様な野生動物がいます。特にジャガーの生息地として知られています。水量が2m程下がった6月末から川岸にジャガーが姿を見せます。その姿を見るために世界各国から多くの人が集まります。
6月末に私は初めてパンタナールへ旅行してきました。サンパウロ市からブラジルの西部にあるマット・グロッソ州都のクイアバ市まで、車で1500kmで3日目に到着しました。クイアバ市からポコネと言う町まで、さらに100km走ります。ポコネは北パンタナールの入口の町と言われています。パンタナールの縦断道路(トランスパンタネイラ)が始まる場所です。そこには誰もが写真に収める木材でできたゲートがあります。「ここからパンタナールが始まる。」と書いてあるのでテンションが上がり始めます。


このパンタネイラは土道145kmあり、道中には120もの橋があります。南に向かっていくので終点はマット・グロッソ・ド・スルとの境のPorto Jofre (ジョフレ港)です。初めの50kmは道も良く、橋もコンクリートで造られていますが、その後は木材で造られた橋の状態が危ういのもあり、雨が降った後はひどいのだろうと思いました。


道中には聞いたこともない鳥のさえずりが聞こえ、橋の下にはワニがいて、道を渡る蛇もいます。高い木の上にある大きな巣は、パンタナールのシンボルであるtuiuiú(ズグロハゲコウ)の巣です。コウノトリの仲間です。全長160cmで、黒い頭に真っ白な翼が印象的です。スピードを上げて走れない土道ですが、ワニや、鳥たちの写真を撮りながらゆっくり進んでいきましたら、終点に到着したのが5時間後でした。145kmしっかりいろんな生き物を見て満足間にあふれてました。


終点のジョフレ港では、1984年にオープンしたHotel Pantanal Norteに滞在しました。ホテルの入り口ではオーナーたちが出迎えてくれました。すると、挨拶をしに来たかのように、tuiuiíがゆっくり歩いてくるのです。自分程の背丈の鳥を見たことがないうえに、その美しさに感激しました。


夕方に到着したこともあって、ホテルの庭にはいろんな木があり、鳥のさえずりが増すばかりです。贅沢を言えば、うるさいくらいです。見上げてみれば、オレンジ色のくちばしのツカーノや、身体全体が青色のアララもいました。多種類の鳥が木から木へと飛び回ってました。パンタナールへやって来たんだと、心が高まりました。


ホテルにはアメリカとヨーロッパからの観光客多く滞在していました。その日は主人と私だけがブラジル人の客であることを知りました。とても親切でフレンドリーなオーナーが夕食時に私たちのテーブルまで来てくれてパンタナールの話を色々語ってくれました。
いよいよ翌日はメインの目的、自然の中にいるジャガーを見ることです。
続きは次回です。宜しくお願い致します。

特派員

  • 皆木サンドラ 奈美
  • 職業語学教師、ペーパートールクラフター

ブラジル生まれのブラジル育ち。大学卒業後、夫の仕事の関係で3年間滞在したシンガポールにおいて習得したペーパートール(=シャドーボックス)や語学を教えています。多国の文化や習慣を上手に混在させているサンパウロでの生活がとても気に入っています。

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