• 2026.08.26
  • ブログ リグーリア - ヴィラで楽しむ夏の野外劇場
夏になると足を運びたくなる場所があります。ジェノヴァで私がいちばん好きな公園、ヴィラ・ドゥケッサ・ディ・ガリエラ(Villa Duchessa di Galliera、ガリエラ公爵夫人邸宅)です。
夏の間、特に7月には、午後に公園を散策した後、夜には野外劇場で公演を楽しむことができます。
私は2年前、ボルトリ地区にあるヴィラ・ドゥケッサ・ディ・ガリエラで行われた夜間公演を、数年ぶりに訪れました。それ以来、この野外劇の鑑賞は私の夏に欠かせない恒例行事となっています。最近では、洞窟や人工滝があるベルヴェデーレ城や、シカやチベットヤギが生息するエリアが修復されました。市街地のすぐ近くにありながら、15キロメートル以上にわたって続く自然の小道を巡ることができるこの公園は、まさに魔法のような旅の舞台です。18世紀に造られたこの公園は、かつてジェノヴァの貴族一家の邸宅でした。当時は、ヨーロッパの各王国から貴族や大使らを迎えていたそうです。
園内には、広大なイタリア式庭園、1785年に建てられた壮麗な劇場、ロマンチックな森、洞窟や人工の滝を備えた城、そしてオリーブの木々が広がっています。シカやチベットヤギの姿を目にすることもできます。さらに、ジェノヴァとサヴォーナの間に広がるリグーリア海やジェノヴァの街を一望できる丘の上には古代の聖所もあり、訪れる人を魅了しています。
創立50周年を迎えたジェノヴァの劇団「テアトロ・デッラ・トッセ(Teatro della Tosse)」は、過去の記憶を織り交ぜながら未来へ目を向ける舞台として、今年もこの公園を選びました。


今年は7月2日から26日までの約1か月間、月曜日を除く毎晩、この歴史ある美しい公園を舞台に公演が行われました。
同劇団が毎年手がけているのは、観客が移動しながら鑑賞するライブ形式の公演です。今年のタイトルは「ゴシカ(Gothica)」でした。
「ゴシカ」は、いくつものステージで構成された新しい没入型の作品です。観客は客席を離れ、歩きやすい靴を履いて参加することが求められます。椅子に座って受動的に鑑賞するのではなく、広大なヴィラの公園内を歩き回りながら俳優たちを「探す」のです。
今年の作品は、現代ホラーと19世紀の幻想文学を基調としており、ヴィラの庭園や園内の各所には数多くの鏡や暗いカーテンが配され、園全体が怪しい雰囲気の漂う旅の舞台へと変貌していました。そこでは、現実と非現実の境界が次第に曖昧になっていくかのようでした。
着想の源となったのは、人間の経験の最も暗い側面を探究する幻想文学の巨匠たちです。観客は、まさに魂の迷宮へと誘われます。そこは、もはや目の前で起きている出来事を理性だけでは説明できない世界です。進歩を求めながらも、不可解な謎に引き寄せられずにはいられない時代の矛盾を描いた物語です。劇団テアトロ・デッラ・トッセが強調するように、その緊張感は現代に生きる私たちの心にも響き続けています。
モノローグは、エドガー・アラン・ポーやドラキュラなど、さまざまな作品から着想を得たものでした。


公演前に開かれたフードフェスティバル「アペリティーボ・ネル・パルコ(Aperitivo nel Parco、公園での食前酒)」についても触れておきましょう。ヴィラの美しいイタリア式庭園を舞台に、観劇に訪れた人々は食事や飲み物を楽しんでいました。
ミステリアスで不気味な雰囲気の公演に浸る前に、緑に囲まれた空間で生演奏を聴きながら、人々と語り合うことのできる素晴らしいひとときでした。
会場には、アイスクリームから手打ちパスタまで、さまざまなフードトラックが並び、このイベントのために庭園にはテーブルと椅子も用意されていました。
フードトラックでは、ペスト(ジェノベーゼソース)や塩味のパイ、地元の食材を使ったサンドイッチなど、主にジェノヴァならではの料理が提供されていました。
そして肝心の公演ですが、出演していた俳優たちの演技は本当に素晴らしいものでした。



演劇はイタリア語で上演されています。夏にはこの地域に多くの外国人観光客が訪れるだけに、イベントやその雰囲気、魅力的なストーリーを存分に楽しんでもらえないのは少し残念です。
イタリア語がわかる方には、この公演は間違いなくおすすめです。日が暮れるにつれて園内の雰囲気は一変し、これから始まる物語の世界観と見事に調和していきます。
今年もまた、自信を持っておすすめしたい夏の体験でした。

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 年齢申( さる )
  • 性別女性
  • 職業翻訳、通訳、教師

生まれはイタリアですが、5ヶ国語が話せる「多文化人」です。米国、ブラジル、オーストラリア、フランス、イギリスで暮らし、仕事をした経験があります。イタリアと米国の国籍を持っていますが、私自身は世界市民だと思っています。教師や翻訳の仕事をしていない時は、イタリア料理を作ったり、ハイキングをしたり、世界各地を旅行したり…これまで80カ国を旅しましたが、その数は今も増え続けています!

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