その建物の名前はカザロン・ド・シャ(Casarão do Chá)といって、日訳するとお茶の家です。お茶の家と聞いた時に、やっぱり日本人が建てたのだとわかりました。
街はずれにあるカザロン・ド・シャは、緑に囲まれてポツンと建っている素敵な建物で、外側から建物の構造を私は素人ながら、じっくり見ていました。見れば見るほど細かいことに気づき、興味がわいていきました。
このカザロン・ド・シャは、1942年に建築家・大工の日系移民の花岡和夫氏によって建てられました。ブラジル産のお茶を生産、加工する工場として建てられたそうです。この建築は、木と木を組み合わせる日本の伝統的な工法で作られています。釘やねじは使用されていません。木材はユーカリの木を使用したそうです。壁は竹を使用し、何層にも土を使用したそうです。今でも工場で使用された機械はいくつか展示されています。
1968年には製茶工場としての役目を果たしました。倉庫として使用されたりしてからは、長年放棄されていたそうです。
日本人陶芸家の中谷哲昇氏と日系コミュニティーの活動により、復元保存運動を始めたそうです。17年半かかり、2014年に現在のインパクトある、美しい建物になりました。復元にはブラジル連邦政府とサンパウロ州政府、モジ・ダス・クルーゼス市からの資金援助や支援を受けました。さらに、日本から大工を呼び寄せるなどと、大きなプロジェクトだったそうです。
建物の中に入ると、この建物の歴史を細かく語ったパネルがありました。また、復元作業の様子を写真で記録されたパネルもありました。サンパウロ市から自家用車で1時間くらいの近い場所にこんなにも大きなプロジェクトがなされていて、今は素敵な建物になっている事を全然知らなかったです。
現在はお茶畑はもうなく、緑の木や草になっています。建物の敷地内には座って休めるスペースがあります。毎日曜日には敷地内で、手作り品の販売や軽食、飲み物の売店があります。自然に囲まれて、ゆっくりできる場所で、私はお茶畑を想像し、そのお茶を飲めなかったのが残念に思えました。
現在は多目的文化施設とされており、毎年8月の週末にはセラミック・フェスティバルが開かれます。陶芸の販売だけではなく、実際に作ってみる体験もできるそうです。12月上旬にも陶芸のバザーが行われます。
6月にはヴィンテージカーが集まったりしてにぎわうようです。他にも、歌や楽器、お茶の試飲などのイベントが行われるそうです。
この素敵な建物をもっと多くの人に知ってもらいたいと思いました。家族全員でゆっくり過ごし、移民の人たちの話をするきっかけにもなり、いろんな意味で充実したひと時を過ごせました。
