• 2020.02.04
  • ドイツで和のお正月
ドイツのクリスマスは11月30日の「聖アンデレの日」に最も近い日曜日からAdventkranzアドヴェントクランツに火を灯し、12月に入るとアドヴェントカレンダーでカウントダウンが始まり、クリスマスイブ、第一クリスマス、第二クリスマスと盛大にお祝いします。しかし、年末年始は大晦日に花火とゼクトで乾杯したら、元旦だけお休みで、1月2日から仕事というなんともさっぱりした年始。日本人だったら誰しも日本のお正月、とりわけ正月飾りやおせち料理などが恋しいものです。

門松
そこで、「売っていないなら自分で作ろう!」をモットーにみんなで小さな門松を作ってみました。
お正月を迎える時に「門松」は、12月13日(松の内)以降、苦を連想させる12月29日と「一夜飾り」の12月31日を避けて、門や玄関に一対で飾るものです。そうするとお正月にこの門松を依り代(よりしろ)(=目印)として「年神」様が降りてきて幸福をもたらしてくれると言われています。
ドイツではなかなか青竹が入手できないのですが、特別に用意してもらい、各自可愛らしいミニ門松が出来上がりました!!


お正月生け込み
また、年明けの新年会では正月飾りとして大きな生け込みにチャレンジしてきました。
ドイツには日本同様四季があり、松、梅、桜、椿と言った日本らしい生け花の材料が手に入るので、この時期生け花をやるものにとっては嬉しい季節です。


「木瓜(ボケ)の花」…春に白、ピンク、赤、オレンジ色の花を咲かせます。冬に咲く寒ボケ、一重や八重のお花もあり種類が豊富です。秋に木瓜の実がなりますが、硬くて渋味があるので生食用ではなく、ジャムや果実酒として愛用されています。漢方では、疲労回復、利尿効果があるそうです。

「ストレリチア」…お祝いごとによく用いられ、鳥のような形をしているので「極楽鳥花」とも呼ばれます。

「南天」…夏に咲いた白い花は秋になると赤い果実を実らせ、葉が赤く染まります。
漢方では、赤い実を煎じて飲むと「咳止め」に、葉は乾燥させて飲むと「ものもらい」や「血尿」に、さらに樹皮や根皮は「胃腸病、目病」にも効果があるとされ、昔から薬用の木として愛用されてきました。しかし、葉には有毒成分も含まれているので、医学的知識がない方は専門家にご相談してください。
魔除けや火災よけとして、玄関先、とりわけ鬼門と呼ばれる南西方向に植えると良いそうです。

日本のお祝いに用いられる「松竹梅」

「松」…松は冬でも葉が落ちない常緑樹で、古来の中国では「生命」や「長寿」などの象徴とされ、神が宿る木とされています。

「竹」…竹は成長が早く、「生命力」や「子孫繁栄」の意味合いがあります。

「梅」…梅は古木でも新年の初めに気高く紅白に花を咲かせることから、「気高さ」と「長寿」の意味合いがあります。


綺麗な花を見ると心が和みます。
日本の美しい文化を通して、世界が友好的で平和になるよう、活動できたら幸いです。
また次世代の子供達へ継承できるよう前進して参ります。

特派員

  • 理夢
  • 職業いけばな活動家

ドイツ在住7年目。海外で「和の心」を忘れず、「いけばな」と「着物」を中心に日本文化活動を行う。日本の美を広めるべく、また次世代にも継承していけるよう精進して参ります。

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