• 2017.03.17
  • こんな式もアリなの?!
20年前にイタリアに来た頃に、イタリア人から度々持ちかけられた商談(どちらかというと頼み事)がありました。それは、ヴェネツィアやフィレンツェなどに結婚式を挙げに来る日本人を対象にしたビジネスを展開しよう、というものでした。

今日、イタリアに挙式しに来る外国人は日本人よりロシア人、イギリス人、アラブ人が圧倒的に多いようです。
私の職業上、コンサート上演の他にイベントや結婚式での演奏依頼が多々あります。その中でも北イタリアにある湖にコモ湖やマジョーレ湖など に並ぶ数々の邸宅でのイベントや結婚式はロケーションといい格別に華やかです。

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花嫁さんは、来賓と新郎が待つ式場の庭に水上ボートで到着する、という設定だったりするのです。

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湖沿いに建つ邸宅は、夏場に素晴らしい景観を背景に庭園で結婚式を挙げることが売り物で、外国人の新郎新婦のニーズに応えるために何でも揃えています。が、一つだけ揃えられないものがあるのです。それは天候です。

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特に、雨が降りそうで降らないような微妙な天気の日が事態をより困難なものにします。ウェディングプランナーは、賢明な決断を強いられます。天気予報と始終にらめっこしながら 、湖畔の天候を熟知している地元の住民の助言を仰ぎ、 一年以上も前から屋敷を貸切予約をした新郎新婦、とりわけ庭で挙式をすることを夢に見て国境を超えてきた花嫁とその母親に説明と説得を続け、更にはケータリングサービスと演奏者に、式や宴会に間に合うように適切な指示をタイミングよく出さなくてはなりません。緊張感の続く式前の1時間となります。ウェディングプランナーの忠告を聞かずに庭園での挙式を強行した花嫁さんのために来賓が寒さに震えながら 出席する光景は何度も遭遇しましたし、忠告に耳を貸さずに我を通した新婦さんの式の途中で雨が降り出し中断したことも、、、。

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あいにく雨天になってしまって、式と宴会は邸宅内で行われることになった場合、お屋敷によっては荘厳な雰囲気のところがあり、宗教的儀式の結婚式にはむしろ適しているように思います。

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湖畔における外国人結婚パーティーの最近の傾向では盛大なイベントに仕上げているものが多く、打ち上げ花火は勿論、映画スターウォーズの最新作が放映された頃には、スターウォーズ設定の式にしたり(祝賀執行人にも衣装を着せたとか!)、1週間邸宅を貸し切りにした上に有名ミュージシャンを招待して、毎晩ロックコンサートをしたり、プロの余興グループを呼んでサーカス並みのアクバティックショーなどを観せたり、奇抜なアイディアは尽きないようです。何しろ街中のお屋敷ではなくて、湖畔沿いの 孤立した立地にあるので大騒ぎはしたい放題できるようです。でも、これらのお屋敷は、所有者が住居として住んでいる所が殆どなんですけど、、、、、、

特派員

  • 三上 由里子
  • 職業音楽家

チェリスト。ミラノを本拠地に、ソロコンサートアンサンブルの編成で演奏活動の傍ら、演劇、画像、舞踊やライブ演奏を組み合わせたマルチスタイルの舞台プロデュース。

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